はじめに 賃貸 vs 持ち家 永遠の論争
必ず一生使い続ける住居。
これを賃貸で過ごすか、持ち家を買うか、多くの人が悩み、答えのない論争を繰り広げています。
私は賃貸に住んでいて、家を買う予定はないのですが、今回このテーマに関して参考になるYouTubeを見つけたのでご紹介します。
Ben Felix という方の Renting vs. Buying a Home: The 5% Rule という動画です。

翻訳して、かいつまんで説明します。
ローン返済額と家賃を比べてはいけない
まずよく言われることですが、賃貸と持ち家をローン返済額と家賃で比較してはいけません。
この場合ほとんどのケースで、持ち家が有利になります。
「月々の支払いが安くなって、さらにローンを払い終えたら自宅という資産が残りますよ」
住宅営業の人がよく使うロジックですね。
・固定資産税を考慮していないことが多い
・自宅はリフォームが必要
・一方住宅ローン減税、すまい給付金といった税制優遇がある
などが挙げられます。
回収できないコストで比較する
動画主は比較対象として、回収できないコスト (unrecoverable costs) で考えろと言っています。
賃貸の場合は家賃です。これはわかりやすいですね。
さて持ち家の回収不能なコストは何でしょうか。動画によると、
・メンテナンスコスト
・資本コスト
を挙げています。順番に見ていきます。
税金、メンテナンスコスト
住宅の税金 (年間) は概ね資産価値の 1%だそうです。
メンテナンスコストは税金より把握は困難ですが、こちらも住宅価格の 1%程度が平均と言われています。
資本コスト
これは住宅ローンと機会損失に大別されます。
動画では住宅ローンを 3%と計算されています。
機会損失というのは、住宅に使ったお金を株などに投資していたら、どれだけリターンが生まれたのかという考えです。
ここでは住宅の期待リターンを年利 3%、全世界株式のリターンを 6.9%としています。
控えめに見て (持ち家に有利な方へ考えて)、株式のリターンを 6%とします。
すると機会損失は 6 − 3 = 3%と計算できます。
ちょうど住宅ローン金利と同じ数字になりました。
なので、住宅の頭金がいくらであろうと、この資本コストは3%であると考えられます。
5%ルールをどのように考えるか
以上より、回収不能コストで比較すると、
持ち家:住宅費用の5% (年額)
であることがわかりました。
このルールに当てはめると、4000万円の物件は、4000 × 5% ÷ 12 = 16.7万円の家賃と等価であると言えます。
これより安い値段で借りられるなら賃貸が有利、そうでないなら持ち家が有利となります。
これはものすごく単純化した考え方で、ローン金利、税制の違い、機会損失の考え方、持ち家の満足感など、考慮すべき点は多々あります。
しかしこういう考えを一つ持っているだけで、多くの誤解 (ローン返済額と家賃を比べるなど) からは解放されるでしょう。
ちなみに動画の方は持ち家だそうです。
まとめ
・回収不能コストで比較すべき
・持ち家のコストは年5%と推定できる
・4000万円の住宅ならば家賃16.7万円に相当する
私は賃貸暮らしを続ける予定です🏠
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