オルカン信託報酬の値下げ競争 eMAXIS Slimも追従

はじめに 全世界株ファンドが次々と値下げ

2023/08/18の日経新聞に、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が信託報酬を半値に引き下げるというニュースが出ていました。

 

三菱UFJ国際投信、信託報酬を半額に下げ - 日本経済新聞
三菱UFJ国際投信は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬を9月8日から半額程度に引き下げる。野村アセットマネジメントが運用し、手数料が年0.05775%と業界最低の競合商品と同水準にする。収益も半減するが、来年1月に始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)を前に投資家のつなぎ留めと新規...

 

執筆時点ではまだ公式発表はありませんが、このところ相次ぐ全世界株ファンドの信託報酬引き下げ競争に追随する格好となりました。

今回は信託報酬引き下げの流れと、外国株長期投資家としてどのように対処すべきかを考えたいと思います。

 

結論はeMAXIS Slimを継続して保有、買い付けがおすすめです。

 

 

全世界株式ファンド 他社の攻勢

eMAXIS Slimの信託報酬引き下げ以前には、日興アセットから「Tracers全世界株式」、野村アセットから「はじめてのNISA・全世界株式」という商品が出ていました。

いずれもこれまでの信託報酬からさらに下げた、最低レベルのコストを売りにしています。

 

Tracers全世界株式

2023年4月26日に設定された商品で、信託報酬が税込0.05775%と、これまでの最低水準(eMAXIS Slimが0.1133%)の半分以下にするという衝撃的な発表がありました。

しかし当初は信託報酬に含める項目が少なく、実質的なコストはこれほどまでは下がらないという見方をされていました。

 

その批判や、後述の「はじめてのNISA」シリーズの発表のせいか、8月3日には諸費用の上限を0.1%から0.03%に引き下げるという追加のアナウンスがなされました。

 

Tracers「こんなの欲しかった」をデザインし、ルール通りに運用(トレース)する
「こんなの欲しかった」をデザインし、ルール通りに運用(トレース)する。インデックス F はもちろん、既存指数に縛られない独創的なファンドを ラインナップ。 日興アセットが新シリーズをスタート しました。

 

これにより総経費率は0.088%以下になることが予想され、eMAXIS Slimを大幅に凌駕することになります。

 

eMAXIS Slim 全世界株式の総経費率(2023年4月)は0.15%

eMAXIS Slimオールカントリーの決算報告(2023年4月)より

 

はじめてのNISA 全世界株式

野村證券は言わずと知れた最大手証券会社(預かり資産、時価総額など)ですが、新規顧客ではSBI証券や楽天証券といったネット専業会社に遅れを取っています。

 

新規開拓のために、全世界株ファンドをはじめとした、つみたてNISA対象のインデックスファンドを5本リリースしました。

 

 

その中でも、既存のファンドよりも信託報酬を下げてきたのがこの全世界株式です。

設定日は2023年7月10日です。

 

信託報酬は税込0.05775%と、上のTracersと全く同じです。

 

 

eMAXIS Slimが値下げ あっぱれ!

Tracersが設定された当初は引き下げに追従しなかったeMAXISですが、2社が「本当に」信託報酬を下げたので、今回の発表となりました。

「業界最低水準の運用コストをめざすというミッションを守るという決意を感じます。

 

圧倒的No.1のeMAXIS Slimは、引き下げ競争に応じなくても問題なかったと思います。

執筆時点で純資産は1.4兆円あり、もし信託報酬を0.055%引き下げると、7.7億円の減収となってしまいます。

 

それでも値下げに踏み切ったのは、eMAXIS Slim全体の信頼獲得が減収を上回ると判断したからでしょう。

素晴らしいことだと思います。

 

No.1ファンドが引き下げに追従することは当たり前のことではありません。

S&P500 ETFで最も古いSPYはコスト0.09%で、他社 (VOO, IVV) の0.03%とは大きく差がついています。

またQQQ → QQQM、GLD → GLDMというように、新商品を出してコストを下げるというやり方も多くみられます。

これは新規買い付けには良いですが、元々のホルダーにはメリットがありません。

 

 

eMAXIS Slim買っときゃ間違いない

ライバル商品も出ていますが、全世界株式を買うならeMAXIS Slimが最もおすすめという結論は変わらないでしょう。

全世界株に限らず、ほぼ全てのインデックスファンドはeMAXIS Slimで良いです。

 

もし今後eMAXIS Slimがコスト引き下げに応じなかったら、保有分はそのままにして、新規買付を新しく安いファンドにするという選択肢もあります。

保有ファンドが増えるのを嫌がる方はそのままeMAXIS Slimでも良いでしょう。

 

eMAXISとeMAXIS Slimはコストが桁違いなので、間違って買わないように気をつけてください。

 

 

まとめ

・全世界株式ファンドの値下げラッシュ
・日興アセット、野村アセットが参戦
・eMAXIS Slimも追従
・やっぱり俺たちのeMAXIS Slimだった

 

私は全世界株式(日本除く)は対象外だと思っていましたが、「日本除く」「3地域均等型」も同様に引き下げとなりました。嬉しいですね。

しかし3地域均等型は本当に人気がない😅

 

 

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