はじめに 全世界株ファンドが次々と値下げ
2023/08/18の日経新聞に、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が信託報酬を半値に引き下げるというニュースが出ていました。
執筆時点ではまだ公式発表はありませんが、このところ相次ぐ全世界株ファンドの信託報酬引き下げ競争に追随する格好となりました。
今回は信託報酬引き下げの流れと、外国株長期投資家としてどのように対処すべきかを考えたいと思います。
結論はeMAXIS Slimを継続して保有、買い付けがおすすめです。
全世界株式ファンド 他社の攻勢
eMAXIS Slimの信託報酬引き下げ以前には、日興アセットから「Tracers全世界株式」、野村アセットから「はじめてのNISA・全世界株式」という商品が出ていました。
いずれもこれまでの信託報酬からさらに下げた、最低レベルのコストを売りにしています。
Tracers全世界株式
2023年4月26日に設定された商品で、信託報酬が税込0.05775%と、これまでの最低水準(eMAXIS Slimが0.1133%)の半分以下にするという衝撃的な発表がありました。
しかし当初は信託報酬に含める項目が少なく、実質的なコストはこれほどまでは下がらないという見方をされていました。
その批判や、後述の「はじめてのNISA」シリーズの発表のせいか、8月3日には諸費用の上限を0.1%から0.03%に引き下げるという追加のアナウンスがなされました。
これにより総経費率は0.088%以下になることが予想され、eMAXIS Slimを大幅に凌駕することになります。
eMAXIS Slimオールカントリーの決算報告(2023年4月)より
はじめてのNISA 全世界株式
野村證券は言わずと知れた最大手証券会社(預かり資産、時価総額など)ですが、新規顧客ではSBI証券や楽天証券といったネット専業会社に遅れを取っています。
新規開拓のために、全世界株ファンドをはじめとした、つみたてNISA対象のインデックスファンドを5本リリースしました。
その中でも、既存のファンドよりも信託報酬を下げてきたのがこの全世界株式です。
設定日は2023年7月10日です。
信託報酬は税込0.05775%と、上のTracersと全く同じです。
eMAXIS Slimが値下げ あっぱれ!
Tracersが設定された当初は引き下げに追従しなかったeMAXISですが、2社が「本当に」信託報酬を下げたので、今回の発表となりました。
「業界最低水準の運用コストをめざす」というミッションを守るという決意を感じます。
圧倒的No.1のeMAXIS Slimは、引き下げ競争に応じなくても問題なかったと思います。
執筆時点で純資産は1.4兆円あり、もし信託報酬を0.055%引き下げると、7.7億円の減収となってしまいます。
それでも値下げに踏み切ったのは、eMAXIS Slim全体の信頼獲得が減収を上回ると判断したからでしょう。
素晴らしいことだと思います。
eMAXIS Slim買っときゃ間違いない
ライバル商品も出ていますが、全世界株式を買うならeMAXIS Slimが最もおすすめという結論は変わらないでしょう。
全世界株に限らず、ほぼ全てのインデックスファンドはeMAXIS Slimで良いです。
もし今後eMAXIS Slimがコスト引き下げに応じなかったら、保有分はそのままにして、新規買付を新しく安いファンドにするという選択肢もあります。
保有ファンドが増えるのを嫌がる方はそのままeMAXIS Slimでも良いでしょう。
eMAXISとeMAXIS Slimはコストが桁違いなので、間違って買わないように気をつけてください。
まとめ
・日興アセット、野村アセットが参戦
・eMAXIS Slimも追従
・やっぱり俺たちのeMAXIS Slimだった
私は全世界株式(日本除く)は対象外だと思っていましたが、「日本除く」「3地域均等型」も同様に引き下げとなりました。嬉しいですね。
しかし3地域均等型は本当に人気がない😅
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