SBI•V シリーズなどに新商品登場 VIGやAGGも

はじめに SBIから待望の投資信託が登場

2023年5月9日、SBIアセットから一挙に11ファンドの新商品が発表されました。

バンガード社が運用している株式ファンド5本と、ブラックロック社が運用している債券、ゴールドファンド6本です。

 

SBI・V シリーズと SBI・i シェアーズ・シリーズの インデックス型ファンド拡充に向けた公募 11 ファンドの募集・設定のお知らせ

 

どれも今まで日本で売られていない、あったとしてもコストが高かったり流動性が低いものばかりだったので、非常に驚きました。

今回はこれら11ファンドについて紹介、解説しようと思います。

 

新商品一覧

 

 

これらが6月8日より運用開始予定のファンドになります。

 

まず全体の感想として、他社のインデックスファンドを追従するのではなく、これまでにない新しいインデックスを設定してくれたという事に喜びと驚きを感じています。

 

しかも全てコストが非常に安い。

 

また「非米国」という選択肢を増やしてくれた点も大きな特徴です。これは2022年上半期までの米国株偏重からの揺り戻しがあるのでしょう。

 

それでは一つずつ見ていきます。

「実質的な負担」という項目は、隠れコストを加味した総コストを示しているのでしょうか。目論見書にある信託報酬を指しているのかは分かりませんが、いずれにしても超低コストであることは間違いありません。

 

新ファンド11本

VIG 米国増配株式

配当に着目したインデックスですが、必ずしも高配当という訳ではありません。

VIGの直近利回りは 1.84%、全米株式VTIの利回りは 1.55%

 

このインデックスの魅力は

下落局面で相対的に強い
将来も増配の期待が強い

というところでしょうか。

 

VIG連動ファンドは日興アセットからTracersシリーズとして発売されていますが、VIGの方により多くのお金が集まると思うので、コストが同じくらいならばよりこちらが選ばれるでしょう。

日興アセットは焦っているかもしれません。

 

VEA 先進国株 (除く米国)、VSS 全世界小型株 (除く米国)

これら二つは投資対象から米国を除いたファンドです。

これまで米国を除いた全世界株や先進国投資対象というのはなく、そのようなポートフォリオを作るのに苦労していました。

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昨年末に楽天VXUSという商品が出て、これが国内初の「非米国」株式ファンドとなりました。

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VXUSからさらに投資対象を絞った2本のファンドがどれほど日本の投資家に買われるか注目です。

信託報酬は楽天VXUSが0.202%/年であるので、今回の2本はさらに低コストです。

 

VB 米国小型株式

時価総額加重平均ではなく、大型株を除いて投資できる商品です。

歴史的に小型株は大型株に比べて、高リスク高リターンであると言われています。

 

VWO  新興国株式

新興国株はすでに多くの商品が存在します。

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それらの中でもコストが最安のSBI新興国株式(愛称 雪だるま)よりも、さらに低コストになる可能性があります。

 

AGG 総合債券

債券投資の中で最も有名なファンドです。

楽天証券やSBI証券で、AGGは買付手数料が無料になっていて、日本でも同ファンドに投資している人は多いと思います。

今回の新ファンド11本の中で、最もインパクトが強いファンドだと思います。

 

IGSB 米国短期社債

投資適格な米国社債に投資できる商品です。

非常に低コストで優良商品ですが、なぜ短期の社債をこの中に入れたのかはよく分かりません。需要が強かったのでしょうか。

 

USHY ハイイールド社債

高い配当利回りが魅力のハイイールド債です。

利回りは6.25% (2023/05/15) と非常に高く、リスクを取りたい債券投資家にとって魅力的な商品です。

コストは全11本の中で最も高い年率0.2138%ですが、これはUSHYの経費率が0.15%と高めなので仕方ありません。

 

IGLN ゴールド

ゴールドの投資方法はいくつかあります。

現物のインゴットやコインを買う、田中貴金属などで積立投資する、先物投資、国内外の投資信託など

この中で最もコストが安いのは米国ETFを買うという手段で、GLDMは経費率が 0.10%/年 です。

国内の投資信託では、実質コストで0.5%/年 程度かかってしまいます。

為替や売買の手数料、手間などを考えると、ほとんどの人にとってこのIGLNが最も低コストなゴールド投資になるでしょう。

 

国内の投資商品が充実してきた

今回のラインナップを見ると、もはや個別株以外で米国ETFを買う必要はないのではないかと思うようになりました。

私が投資している非米国株や総合債券、ゴールドが見事にカバーされました。

売買にかかるコストや配当二重課税の問題があり、可能な限り日本国内の投資信託を買った方が良いので、我々にとって非常に意味のある新商品だと思います。

 

一方で長期米国債(TLTやVGLT) の国内商品がないのが残念なところです。
ETFで2621がありますが、為替ヘッジありなのが欠点です。

あとはレバレッジ商品ももう少し充実してほしいと思います。

例えばS&P500 の2倍レバレッジファンド SPUU は経費率が 0.63%ですが、日本だと1%を超えます。

レバナスは価格競争が進んでいるのですが、米国株や全世界株の良いレバレッジ商品を今後期待します。

 

SPYDやHDVなどの高配当株ファンドもまだなかったでしょうか。あれば人気が出そう。

 

まとめ

・SBIアセットが11本の新ファンドを設定
・非米国や債券などこれまでになかった商品を一気に投入
・もう米国ETFを直接買わなくて良い時代に

今まで私はVSSやAGGなどの米国ETFを買い、非常に高いコストを支払ってきました。

あと2年早く登場してくれればと思う反面、これからはより良い投資環境であることに感謝したいと思います。

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