目次
- はじめに レバナスが大人気
- ボラティリティはレバレッジの大敵
- 値下がりは買い増しのチャンス、のウソ
- 余裕資金で小額レバETF、は間違い
- レバナス選択は大いに疑問 直近12年のNASDAQ100は奇跡的な上昇相場だった
- まとめ
はじめに レバナスが大人気
iFreeレバレッジ NASDAQ100 (通称レバナス) の人気が続いています。
2021年8月に純資産額が1000億円を突破しました。
兄弟商品にiFreeレバレッジ S&P500があり、こちらは2021年8月時点で純資産120億円でした。
NASDAQ100の方が圧倒的に人気なのは、リーマンショック以降の高パフォーマンスによります。
QQQ (1倍) とQLD (2倍) の比較10年チャートが以下になります。

QQQが10年で6.4倍、QLDは27.4倍という夢膨らむパフォーマンスでした。
さて、レバレッジファンドに興味がある人に向けて、レバレッジファンドの選択は正しいか、NASDAQ100が正解なのかについて、なるべく多角的に、事実・結果に基づいて考えていこうと思います。
書きたいことが多いので、全3回に分けようと思います。
1回目はレバレッジファンドの反対意見について
2回目は賛成意見について
3回目は私の意見、今後買う予定のレバファンドについて
の構成でいきます。
1回目で反対意見を持ってきたのは、レバナスが人気すぎてなんだか危ないなと感じているからです。
ボラティリティはレバレッジの大敵
レバナスを例に取ります。
このファンドは1日値動きの2倍になるように設定されています。
2日以降は当然2倍からずれていくわけですが、レバレッジをかけるとどのように動くのでしょうか。
レバナスの公式HPには、全部で5パターンの値動きモデルが載っています。
・上昇、下落を繰り返す
・一方的に下落
・上昇、下落しながら下落
・一方的に上昇
・上昇、下落しながら上昇
この中でレバレッジが基準指数を上回ったのは一方的に上昇パターンのみで、ほかの4パターンは全て基準指数に負けました。

レバレッジはコストも高いので、さらに負けやすくなります。
リーマンショック以降のNASDAQ100は、ほぼ一方的に上昇していたので、レバレッジファンドとしては理想的な値動きでした。
これは理論的にも証明されていて、以前にも取り上げたこの記事によると、リターンはボラティリティの2乗に反比例します。

RはETFの日次複利成長率、kはETFのレバレッジ、μはベンチマークの日次平均リターン、σはベンチマークの日次リターンの日次ボラティリティ(すなわち標準偏差)
ボラティリティの観点から、セクター別ETFのレバファンドは特にリスクが高いことがわかります。
逆にボラティリティの低い債券は、レバをかけても良いと考えられます。
値下がりは買い増しのチャンス、のウソ
値動きが激しいレバファンドを買う時、買うタイミングを分散させてドルコスト平均法で買おうとしたり、移動平均やRSIなどを使って下がったら買い増そうと考える方は多いはずです。
そう考えている時点で、レバファンドのリスクはあなたの許容度を超えていると考えた方が良いです。
一気に買うのは不安だと思うなら、レバレッジをかけないほうがよっぽど合理的です。
余裕資金で小額レバETF、は間違い
基本的にレバファンドは基準ファンドよりも、リスクリターン比が劣ります。
なので2倍のレバファンドを買うくらいなら、基準ファンドを2倍買った方が合理的です。
レバファンドを買う人は、ただひたすらリターンの極大化を狙い、リスクが見えなくなっている危険があります。
レバナスを買っている人、2倍のお金出してQQQを買った方がいいと思います。
コスト、リスク、シャープレシオいずれも基準ファンドにはかないません。
レバナス選択は大いに疑問 直近12年のNASDAQ100は奇跡的な上昇相場だった
レバナスを買っている人は、これからも同じように上昇すると考えているのでしょうか。
ハイテク株について深く調べ、他の人よりも鋭い洞察を持っているのでしょうか。
私は将来を見通す力がないので、なるべく分散して、低コストな投資を目指しています。
まとめ
・レバファンドについて3回に分けて考察
・第1回は反対意見から
・ほとんどの人にレバファンドは必要ない
次回はレバファンドに肯定的な意見を書いてみます。
中期的には中国のレバファンドなんていいんじゃないかと思うんですけど、誰もそんなもの買わないですよね😅😅
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