ドルコスト平均法は時間分散にならない シミュレーションで検証 

投資の原理原則

目次

はじめに

ドルコスト平均法をご存知ですか?

毎月定額で買い続ける事で、平均取得価格を平均化でき、かつ安い時に多くの口数を変えるので、定数買付よりも有利だというものです。

 

 

ドルコスト平均法のモデル図

https://www.daiwasbi.co.jp/fundcollege/investment/about/index4.html

より引用

 

一方で楽天証券経済研究所、客員研究員の山崎元氏は、ドルコスト平均法を「リスクの先送りに過ぎない」と言い切っています。

media.rakuten-sec.net

この記事を読んで以降、私もドルコスト平均法を使った買い増しは否定的な立場です。

シミュレーション方法

ここでは6つの価格変動モデルを用いて、ドルコスト平均法、リバランス、バイアンドホールドの3つで、利益損失がいくらになるかを考えてみます。

 

まず条件として、

・期間は10

・資産は1100

・ドルコスト平均法は最終的に株
100%になるように010年目まで100円ずつ買っていく

・リバランス、一括購入 
(バイアンドホールド2つは、最初に550円分買うものとする
 (ドルコスト平均法と、リスク資産に晒す時間 × 金額を揃えるため)

・リバランスの方は毎年現金:株が
1:1になるように調整する

 

このルールを6つの値動きに適用して見ていきます。


一括購入
一括

ドルコスト平均法つみたて

一括購入からの毎年リバランスリバ


と略します。

以降の計算過程はページの最後に貼り付けますので、興味があればご覧下さい。

検証1  山型

5年目に株価が2倍になって、また戻る場合

山型の株価推移

一括 … 1100
つみたて… 795.6
リバ… 1212.8

 

つみたてが最も悪くなる価格推移でした。

検証2  谷型

5年目に株価が1/2倍になって、また戻る場合

谷型の株価推移

一括 … 1100
つみたて… 1491.4
リバ… 1260.8

 

検証1とは逆に、つみたてが最も良くなる価格推移でした。

リバランスも健闘しています。

検証3  右肩上がり

10年かけて株価が1円から2円に、直線的に上がる場合

上げ続ける株価推移

一括 … 550 + 550×2 = 1650
つみたて… 1719.2
リバ… 1565.6

 

つみたてがバイアンドホールドに勝りました。

逆にリバランスはバイアンドホールドより下回っています。

検証4  右肩下がり

10年かけて株価が2円から1円に、直線的に下がる場合

検証3と真逆の推移を仮定します。

同様に計算していきます。

 

一括 … 550 + 550×1/2 = 825
つみたて… 859.6
リバ… 782.9

 

全て検証1の半分になりました。

検証5  ギザギザ上昇

5%上昇をベースにして毎年±10%変動を交互に加える

株価 1 → 1.5

ギザギザ上昇型の株価推移

一括 … 1375
つみたて… 1340.4
リバ… 1408.6

 

リバランスが勝りました。

検証6  ギザギザ下降

5%下落をベースにして毎年±10%変動を交互に加える

株価 1.5 → 1

ギザギザ下降型の株価推移

一括 … 916.7
つみたて… 893.6
リバ… 1047

 

これもリバランスが勝りました。

結果まとめと考察

 

 

リターンまとめ

 

つみたて vs 一括リバランスは33

つみたて vs バイアンドホールドは33

 

どんな買い方をしても期待値は変わらないので、妥当な結果と言えます。

 

しかしつみたてが最も検証ごとのばらつきが大きい、という結果になりました。

 

特に山型と谷型では、最終的な価格は変わっていないにもかかわらず、リターンは倍近く変わっています。

 

また現実の株価により近いと思われるギザギザ型の推移においては、つみたては最もリターンが悪くなりました

 

今まで検討した3つの買い方の中では、ドルコスト平均法は最もリスク (=ボラティリティが高いと言えます。

時間分散は買うタイミングを分けることではない

時間分散とは、持っているお金を長くリスク資産に晒しておくことで、リターンを平均化するというものです。

 

ドルコスト平均法は、投資期間の前半から中盤にかけて値下がりし、終盤にかけて上昇する事を期待した投資法になります。

 

リバランス法はミーンリバーサル(平均への回帰)を期待した方法になります。

 

それぞれ一長一短ありますが、値動きが全く予想できない、しかし長期では上昇が期待できる場合は、バイアンドホールドが理論的に正しいと言えます。

 

またリバランス法は安い時に買い増すので、現実世界だとリターンがバイアンドホールドを上回ることが多いです。

ドルコスト平均法が妥当なケース

私の考えでは、ドルコスト平均法が正しい手法だと言える場合が以下の2つになります。

毎月一定額しか投資資金を用意できない

給料などから毎月一定額を買い増すというやり方です。

これはどの時点でも、投資に回す予定のお金を全て回しています。

なので結果的にドルコスト平均法的な買い方になっているだけで、それを狙っている訳ではありません。

多額の投資が不安

例えば今100万円貯金があって、投資に興味が出てきた。

よし買おうとなっても、いきなり全て突っ込むのは誰だって怖いでしょう。

また始めていくうちに、自分の投資法や買いたい銘柄も変わることが多いです。

 

投資もビジネスも小額から始めるべきであることを考えると、ドルコスト平均法の買い方は向いているのかなと思います。

まとめ

・ドルコスト平均法は時間分散を正しくできていない
・一括購入&定期リバランスの方がおすすめ
・慣れないうちは小額からの投資を

 

私は年初にモメンタム投資を始め、1000万くらい一気に買いました。

こんな能書き垂れてますが、かなりビビりました。

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