はじめに もはや配当再投資は必要ない
私は資産7000万円を目標として貯蓄に励んできました。
まもなく到達するところまで来て、ふと思いました。
NISAはeMAXIS Slimなどの投資信託ではなく、米国ETFの方がコストが安いのではないか?と。
NISAの枠をフル活用しようと思えば、配当が内部で再投資される国内投信が最適です。
しかし私は取り崩しを考える時期に来ており、配当再投資が必ずしも正解ではありません。
そこで今回は、NISAでは米国ETFと国内投信のどちらがコスト安になるかを調べました。
前提条件
配当は国内投信もETFも米国所得税10%が取られるので、この点は両者で差がありません。
投資はSBI証券を使うものとします。
NISAは海外ETFでも売買手数料0ですが、為替手数料は往復で4銭取られます(可変)。1ドル150円とすると、往復為替手数料は0.027%です。
国内投信は投信マイレージも考慮します。
国内投信と米国ETFのコスト比較
S&P500
eMAXIS Slim米国株式とVOOを比較します。
VOOの経費率は 0.03%、配当利回りは 1.23%です。
eMAXIS Slimの総経費率は0.1018%で、SBI証券の投信マイレージが年率0.0326%付くので、実質0.0692%と考えられます。
その差は年間 0.0392%、1000万円投資すると年間で3,920円の違いとなります。
また当然ですが、株価(投資金額)が2倍になればこの差も2倍に広がります。
全世界株
eMAXIS SlimオルカンとVTの比較になります。
VTの経費率は 0.07%、配当利回りは 1.83%です。
eMAXIS Slimの総経費率は0.08715%と予想されます。(詳しくは過去記事↓を参照)
SBI証券の投信マイレージが年率0.0175%つくので、実質0.06965%と考えられます。
その差は年間 -0.0035%(eMAXIS Slimの方が安い)、1000万円投資すると年間で350円の違いとなります。
先進国株
米国ETFに先進国株ファンドがありませんでした。なので時価総額に合わせてVOOとVEA(米国除く先進国株)を72:28で組み合わせます。
投資信託の方は、eMAXIS Slim先進国株と比較します。
経費率はVOO 0.03%、VEA 0.06%なので、合計の経費率は0.0384%となります。
配当利回りはVOO 1.23%、VEA 3.02%で合計で1.73%
eMAXIS Slimの方は、総経費率0.1187%で、SBI証券の投信マイレージが年率0.0349%つくので、実質0.0838%と考えられます。
その差は年間 0.0454%、1000万円投資すると年間で4,540円の違いとなります。
比較一覧表
・マイナスは国内投信が有利
・このほかに為替手数料が0.027%マイナスされる
・データは2024/11/28時点
筆者の戦略
全世界株派の方はETFのメリットがないので、オルカン一択となります。
米国株と先進国株は一応のコストメリットはありますが、手間を考えたら500万円以上、できれば1000万円以上の投資資金がないと手間に合わないでしょう。
私は先進国株を投資対象としており、来年からVOO+VEAの買い付けをしようと思っています。
米国ETFの注意点(欠点)
S&P500、先進国株ではわずかに米国ETFがコスト安でしたが、ETFの欠点もあります。
まず少額投資に向かないこと。特にVOOは1株550ドル=8.25万円と高額です。
次に購入がやや面倒なこと。資金をドル転する必要があります。
また定期売却サービスなどがなく、取り崩し期に手作業でやらなければならないこと。さらに1株が高いので、売るときも少額ずつができません。
国内ETFもあるが
今回取り上げませんでしたが、国内ETFという選択肢もあります。
国内ETFは実質コストが計算しにくい、近年では一般投資信託とコストが大差ないという理由から、あえてNISAで買う商品ではないと思います。
課税口座であれば配当二重課税の調整が行われるので、本家の米国ETFよりも税金面でプラスになります。
まとめ
・米国株、先進国株はコスト安になりそう
・オルカン派はそのままでOK
・少額投資ができない点は注意
これからFIRE後の出口戦略を考える方が増えると思います。
数字は今後変わっていくでしょうが、考え方の参考になれば幸いです。
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