目次
はじめに レバレッジがブーム
レバレッジファンドがブームと言える人気を得ています。
おそらく先駆けはグローバル3倍3分法ファンドで、今はレバレッジNASDAQ100 (レバナス) が大人気です。
前者(グロ3) は債券にレバレッジを用いる「レバレッジバランスファンド」で、後者(レバナス)は株式にレバレッジがかかっています。
いずれも先物取引を使うことでレバレッジをかけています。
今回は米国ETFのNTSXを紹介することで、米国におけるレバレッジファンドの実情、日本との違い、レバレッジをどう活用するかなど考えていきます。
NTSXについて 基本情報
これからの説明はほとんど以下の2サイトから引用します。
英語ページですが、deepLに入れればほぼ完全な日本語に翻訳されます。
NTSXは米国ETFで、正式名称をWisdomTree U.S. Efficient Core Fundと言います。
先物取引を利用して、資産の90%を米国株式 (S&P500) に、残りの10%を米国債先物に投資します。
その10%に6倍のレバレッジをかけて、資産の60%相当の債券を保有します。
株式と米国債を90対60 (= 6 : 4)で運用します。
NTSX 模式図
この6 : 4というのは、伝統的にリスクリターン比が高い比率と言われています。
昔からNTSXがあったとした場合のバックテストが以下になります。
S&P500よりも高いリターン、低いリスクが得られています。
NTSXとS&P500の比較バックテスト
運用コストは年0.20%です。安いですね。
運用開始は2018年8月と比較的新しいファンドです。
2021/11/15時点での純資産額は$825.23M、およそ940億円です。
ちなみにSBI, 楽天証券では取り扱いがありません。残念😫
NTSXの特徴
レバレッジがほどよい
日本でのレバレッジバランスファンドとしては、
・グローバル5.5倍バランスファンド
・楽天 米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)
・PayPay投信ウルトラバランス 世界株式
などがあります。
これらは多くの債券を買うためにどれも10倍、あるいはそれ以上の高いレバレッジをかけています。
また高いレバレッジをかけるため、株式も一部で先物が使われています。
これまで高いレバレッジによるトラブルはありませんが、高いボラティリティだけでなく、予定通り運用できないリスクが高まります。
その点NTSXは債券のみ、また6倍という比較的低いレバレッジで運用されるため、上記のリスクはだいぶ抑えられます。
取引コストが安い
基本情報でも書いた通り、運用手数料が年0.20%と非常に安いです。
これはさすが米国ETFといったところで、普通のインデックスファンドレベルの安さで運用が可能です。
ちなみに日本での最安コストはグローバル3倍3分法ファンドで、実質コストが年0.56%でした。
種類が豊富
今回紹介しているのは米国株式のNTSXですが、米国を除く先進国株式のNTSI、新興国株式のNTSEと別の商品もあります。
いずれも債券は米国債を使っています。
色んな選択肢があって、しかも低コストなのは羨ましいですね。
このファンドから何を学ぶか
外国との違い
本当に欲しければ、買える証券会社を探すという手もありますが、そこまではお勧めしません。
しかし金融先進国アメリカではどのような商品が売られていて、何が人気あるのかを知ることはとても重要だと思います。
日本、自分自身の立ち位置がわかりますし、そうすれば変な商品をつかまされることや、流行りに飛びつくこともなくなるでしょう。
レバレッジの程度について
私は資産運用にレバレッジをかけることは、特に若い方にはとても有効だと思っています。
しかしレバレッジをかければリスクは跳ね上がります。
レバレッジにおいては、いわゆる勉強熱心な人の方が危ないかもしれません。
中途半端に知るくらいなら、全く知らない方がよっぽど安全だからです。
NTSXは日本にはないコンセプトのレバレッジファンドですから、その知識があれば、より自分にあったレバレッジのかけ方がわかるかもしれません。
まとめ
・債券にレバをかけて、株90%, 債券60%で運用するファンド
・日本にはないタイプの商品
・当ファンドの理解を通して、最適なレバレッジのかけ方を考えていこう
もしNTSXが買えたら、他のバランスファンド全部いらない😤
ってくらい良ファンドです👍
コメント
日本でのレバレッジバランスファンドとしては、
・グローバル3倍3分法ファンド
・グローバル5.5倍バランスファンド
・楽天 米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)
・PayPay投信ウルトラバランス 世界株式
などがあります。
これらはどれも20倍、あるいはそれ以上の高いレバレッジをかけています。
とありますが、何を基準に20倍以上とおっしゃってますか?どれも20倍よりはるかに低いレバだと思いますが。
コメントありがとうございます。
これらのファンドは証拠金を元に債券を買っており、そのレバレッジが非常に高くなっているという意味で書きました。(例えばUSA360は27倍)
債券とはいえあまりにハイレバだと、突然証拠金不足でロスカットという可能性もあり得ます。
NTSXはその部分も6倍に抑えられており、より安定した運用が期待できます。
しかし調べ直すと20倍を超えていないものもあったので、10倍に修正しました。
ご指摘ありがとうございます。
わざわざ返信ありがとうございます。度々申し訳ございませんが、USA360 でいうと債券の部分で27倍では2.7倍ではないでしょうか?USA360は全体で3.6倍のレバレッジであり36倍ではないと思いますがどうでしょうか。
↑ 27倍ではなくの間違えです。
例えばUSA360の交付目論見書を見ると、2021年8月時点での運用実績の項目で証拠金16%に対して株式先物6%、債券先物267%を運用しています。この証拠金比率(レバレッジ)を計算すると17倍となり、これを10倍以上のレバレッジをかけていると表現しました。
仮に証拠金比率が30%を切った段階でロスカットを食らうと仮定すると、これら先物価格が4%下落するだけで行ってしまいます。
私の知る限り、高い証拠金比率に対しての危険性を指摘している人はいなかったので、書いてみました。
おっしゃるように、全体でのレバレッジは商品名の通り360%です。