目次
はじめに 前回までのおさらい
前回はモメンタム投資の弱点について解説しました。
今回はそれらを乗り越えてモメンタム投資を実践する方への、具体的な改良点や注意点を解説していきます。
Antonacci氏の書籍のほか、以下のサイトを参考としております。
モメンタムに使用する指数(ETF)について
Antonacci氏の著書の中では、株式モメンタムについて、米国株、非米国の全世界株、短期米国債を使用しています。
ウォール街のモメンタムウォーカー | ゲイリー・アントナッチ | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon
なお、1990年代以前は新興国の株式データが得られないため、米国を除く先進国指数を採用していました。
基準のS&P500 ETF … VOO
S&P500に対応するETFはSPY、VOO、IVVがあります。
信託報酬がそれぞれ0.09%、0.03%、0.03%なので、私はVOOを使っています。
*SBI証券では上記3つとも、楽天証券ではSPYとVOOが買付手数料が無料となっています。
相対モメンタムに使うETF … VSS
私は米国株、S&P500を軸にするのは変えずに、対応する指数を変更します。
私が実際に採用し、お勧めできるのは非米国小型株インデックスETF、VSSです。
相対モメンタムとして用いる資産は、
これが良好なパフォーマンスにつながります。
期待リターンが低い資産を選んでしまうと当然合計のリターンも下がります。
また相関係数が低い = 一方の資産が下がっている間はもう一方の資産の上昇が期待できるという事になります。
S&P500は「米国」「大型株」で構成されているため、
「非米国」「小型株」のVSSが最もリターンを損ねず、相関の低い指数だと言えます。
絶対モメンタムに使う債券ETF … VGLT
次にS&P500が値下がりした場合の資産の逃避先として、私は短期米国債ではなく、20年以上の超長期国債に変更をしています。
一般に債券は満期までの期間が長くなるほど、リスク (ボラティリティ=価格変動) は大きくなり、利回りは高くなる傾向にあります。
債券についてはこの方が詳しくまとめられています。
超長期米国債で最も有名なのはTLTがありますが、VGLTがほぼ同じduration(償還期間)で手数料が安いので、実際にはこちらを使っています。
以上の結果から、私はVOO、VSS、VGLTを組み合わせてデュアルモメンタム投資を行なっています。
投資法を変形するときの注意点
バックテストを行うときに陥りがちですが、過去のパフォーマンスを良くすることに注力しすぎないように注意してください。
そのことをover fittingと言います。
例えばS&P500ではなく、米国小型株のRussel2000などの方が過去のリターンは高かったかもしれません。
(小型株効果と呼ばれる、高リターンの歴史があるため)
しかしそれでは相対モメンタムのいずれも中小型株になってしまい、将来の過剰リスク、リターン低下につながりかねません。
過去のパフォーマンスを良くしようとするあまり、かえって将来のパフォーマンスを下げてしまう危険性があります。
私は本やブログなどに書かれた投資法を改変するときは、それが合理的である時に限っています。
まとめ
・相対モメンタムには非米国全世界小型株、VSS
・絶対モメンタムの債券は長期米国債、VGLT
・over fittingに注意
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