はじめに 上場インフラファンドが暴落中
上場インフラファンドというのをご存知でしょうか?
主に太陽光売電の投資をすることで、安定した収益、高配当を目指すファンドです。
執筆時(2024年12月)現在、以下の5ファンドが上場しています。
さて安定、高配当が売りのファンド達ですが、今年は大暴落に見舞われています。
今回はこの事実から我々が学ぶべき点について考えます。
インフラファンド 半値以下の暴落
銘柄によって値動きは当然違いますが、2年前あたりから徐々に下げてきており、特にこの半年で崩れ落ちるように下落していきました。
50%を超える値下がりになったものも多くあります。
9282の1年チャート
原因はこちら↓に書いてありますが、配当方針の変更があり、減配が嫌気されているようです。
損切りできない投資家たち
上記のサイトによると、いわゆる「タコ足配当」をやめるというもので、ビジネスモデルの崩壊を示す物ではありません。
それにもかかわらず、全てのインフラファンドが無惨な暴落となってしまいました。
インフラファンドを買う投資家は、元々インカムゲインを目的に買っているでしょうから、株価が下がって利回りが高くなれば、損切りする理由がありません。
それどころかナンピンするのが合理的とさえ言えます。
そうこうしているうちに莫大な含み損を抱えている、というのが多くの投資家の現状でしょう。
東証REITも底が見えない
インフラファンドほどひどくはありませんが、東証REITもなかなかのものです。
代表的な東証REIT ETF(1343)は、コロナショック後の最安値を試す展開になっています。
不動産クラファンはもっとやばいかも
高い利回りを求める人は、不動産クラウドファンディングにも手を出しがちです。
利回り10%以上+アマギフ数万円分、配当支払い実績100%、みたいな文言がサイトに踊ります。
上場ファンドであれば値動きがリアルタイムでわかりますが、不動産は流動性が低いため、現在の資産価値、状況が非常にわかりにくい構造になってしまいます。
私がよく見るブログに、野村證券のローンで不動産クラファンを買っている人がいて、リスク管理大丈夫かなぁと心配になる人がいます。
長期投資で失敗しないために
利回りを投資の指標としない
上場インフラファンドを見て思ったのは、損切りすることはほぼ不可能だったということ。
短中期のトレーダーなら逃げられたかもしれないが、配当狙いの人たち(インフラファンド投資家のほぼ全員)が損切りするタイミングはなかったと思います。
高配当株、特に個別株の難しい点がここにあります。
やたらインカムゲインを重視する方がいますが、キャピタルゲインとインカムゲインを等価で考えることが大事です。
広く分散すること
分散投資、特に時価過重の分散投資をしていれば、今回のインフラファンド、REITの下落はほぼダメージがなかったはずです。
時価ベースなら資産の1%も投資していないはずなので。
分散については米国株についても同じことが言えます。
他国の株よりも米国株、とりわけハイテク株のリターンが高くなると信じている人が非常に多いです。
メガテック企業のサービスは世界中で必須インフラとなっている、新興国の成長は米国株にも反映される、などなど。
それらの説明に異論はありませんが、それって全部すでに織り込まれた株価なんじゃないの?世界の機関投資家よりもあなたの分析の方が正しいんですか?と思ってしまいます。
だから答えはオルカンなんです。
まとめ
・配当狙いの投資家は損切りタイミングなく塩漬け状態か
・インカムゲインとキャピタルゲインは等価であることを認識せよ
・分散最強!やっぱりオルカンだよね
配当金を重視しすぎるとこのような事態に巻き込まれる可能性が高くなります。
配当は全世界株の利回り程度にしておくのがおすすめです。
コメント