はじめに NISAの拡充がニュースに
2022年8月23日、NISAの拡充を金融庁が要望していると各社が報じました。
執筆時点では詳細は明らかになっていませんが、
・非課税枠の拡大。2倍程度?
・つみたてNISAの年齢制限撤廃 (現在は20歳、2023年から18歳以上)
このあたりが報道されています。
さて今回は制度改正がいつ、どのような形でされるのか、今私たちがすべきことは何かについて考えていきます。
筆者の予想 新NISAの恒久化、2024年から子供への拡充
実現が予想されるもの
まずNISAの恒久化について。
現在は2042年までつみたてNISAが可能です。
恒久化しても追加財源が必要になるわけではないので、実現は最も簡単です。
ただNISAの恒久化は多くの人が予想していることなので、実現しても今後の投資行動に影響を与えることはないでしょう。
子供への拡大も行われるだろうと思っています。
現在のジュニアNISAは2023年を最後に廃止が決まっています。
ジュニアNISAの代替制度については何もないので、ここは拡充してくると思います。
わずかですが子供を作るポジティブ材料にもなります。
実現しないと考えられるもの
一方、非課税枠の拡大はないと私は考えています。
年間40万円の投資はそんなに簡単なことではありません。
例えば子供にもつみたてNISAが対象になったとして、家族4人暮らしなら年間160万円の非課税枠があります。
この金額を投資に回せる家庭は、せいぜい全体の1割くらいではないでしょうか。
全く的外れだとは思いますが、金持ち優遇だという批判が予想されます。
その他一般NISAで可能なロールオーバー (上限の5年が終わった後、そのままさらに5年間継続できる制度) は、現状の1回きりで終わると思います。
明らかに国はつみたてNISAを推奨しているからです。
iDeCo を検討している人は注意
この制度改正で最も注意すべきことは、iDeCoには入らない方がいいかもしれない という点です。
iDeCo はNISAよりも複雑な制度で、
全額所得控除が受けられる
スイッチング (銘柄の売却、乗り換え) が可能。NISAは不可
60歳まで引き出し不可
受け取り時に税金がかかる。特に退職所得控除が改悪されると影響大
途中でやめることができない (掛け金の停止はできるが、口座維持に毎月171円以上かかる)
といった特徴があります。
今後NISA枠が拡充された場合、投資が全てNISA内で収まる人が増えます。
非課税期間が長くなると、さらにNISAが有利になります。
それではどんな人に iDeCo はおすすめできるのでしょうか。
iDeCo最大のメリットである所得控除について、所得税率10%のレンジにいる方で計算してみましょう。
課税所得が195〜330万円だと所得税率は10%となります。
年収 440〜650万円くらいがここに当てはまります。
(扶養家族などによって変動あり)
住民税は一律ほぼ10% (自治体によってわずかに異なる) なので、掛け金の約20%が減税されます。
会社員で企業型DCがない場合、掛け金の上限は毎月23,000円なので、減税額は最大で毎月4,600円と計算できます。
年収が440万円以下の方は所得税5%+住民税10%で、減税額は最大月3,450円となります。
この金額をどう考えるかはその人次第ですが、iDeCo 唯一のメリットとしては弱いかもしれません。
・収入が高い (650万円以上) か、その見込みがある
これらに当てはまる方はiDeCoを強くお勧めできますが、それ以外の方は NISA改正案が確定するまで iDeCo は様子見すべき だと考えます。
余談ですが、iDeCoが60歳まで引き出せないというデメリットは、私は逆に良いシステムだと思っています。
投資はほったらかしが最適解なのですが、自由があると売買したくなるのが人情だからです。
筆者のNISA、iDecoの状況
iDeCo | 時価 (万円) | 含み損益 (万円) |
父 | 175 | +43 |
母 | 26 | +2 |
合計 | 201 | +45 |
NISA | 時価 (万円) | 含み損益 (万円) |
父 | 136 | +30 |
母 | 127 | +24 |
子 | 130 | -30 |
合計 | 393 | +24 |
非課税投資で約600万円、13%の含み益の状態です。
ジュニアNISAは昨年末、今年初めにレバレッジファンドを購入しており、大きな含み損が出ています🥲
iDeCoが175万円というのが密かな自慢です。
長く継続して投資できているという証拠なので😊
まとめ
・筆者は恒久化、子供への拡大はやるだろう
・上限の引き上げはないと予想
・iDeCoの戦略にも影響あり
・高所得者以外は iDeCo 様子見がおすすめ
NISAとイギリスISAの比較記事↓
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