「暴落はむしろ買い増しのチャンス」は危ない思考法

はじめに 激動の相場が続く

先月中旬のピークから、大きく相場は乱高下しています。

ドル円は161円から一時141円台まで(円が)急騰、日経平均は42,426円から一時31,156円まで26.6%の下落

執筆時点(2024年8月8日)でもボラティリティの高い状況が続いています。

 

もちろんみんな大好きオルカンも大きく値下がりしており、基準価額は7月11日の27,565円から8月6日の22,938円まで、16.8%の下落となりました。

eMAXIS Slim全世界株式の6ヶ月チャート↑

 

 

暴落時も淡々と積み立てが正解?

こんな時でも冷静になることが大切です。

それはその通りですが、

「暴落したら同じ金額で多く買えるからむしろ歓迎」

「暴落用に持っていた資金を投入するチャンス」

といった意見には、私は大きな違和感を覚えます。

 

もちろんその考えは何も間違っていないし、積み立て投資時に下落があった方が、最終的に資産が増えるのも事実です。

でもあなたも私も、いつか株の購入をやめ、取り崩す時が来ます。

 

 

取り崩すタイミングは必ずやってくる

遅かれ早かれ、働くなったタイミングで資産を取り崩していくことになります。

あなたや私が目指しているFIREはまさにその状態です。

 

取り崩す期間は65歳からだとしても20年以上、FIRE民は50年以上という人もいるでしょう。

長い取り崩しの間に、暴落は必ずやってきます。

 

その時に「買い増しできるから暴落歓迎」なんて言っていた人はどうするのでしょう?

「暴落は買い増s…できねぇ!うわ〜もうだめだぁ〜〜」ってなるのでしょうか?

 

 

待機資金を用意するのも反対

ある程度資金ができたら、取り崩す用の現金(か、それに近い低リスク資産)を用意するのがむしろ一般的なようです。

 

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上の記事にも書いたように、これはかなり余裕を持ったFIREを達成しないとできないので、私にはできなさそうです。

 

資産を長持ちさせるには、株式比率を75〜80%にする必要があります。

 

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ただそうすると、暴落時には直撃が避けられません。

早くFIREまで到達しつつ、暴落を乗り切るにはどうしたら良いのでしょうか?

 

 

筆者は暴落にどう立ち向かうのか

それでは私は暴落にどう対処するか?

基本的には「働いて取り崩しを減らす」が戦略です。

(特に取り崩し初期の暴落は資産枯渇につながりやすい)

 

いわゆるFIRE卒業ってやつです。

これは大きく2つの理由があります。

 

💰どれだけ勉強してもやっぱり怖い

上の記事では95%以上の確率で、50年間取り崩しができるという結果になっています。

それでも実際に資産が30%減るような状況になると、必ず不安や恐怖心が出てきます。

資産が毎日減っていく中、「シミュレーションでは大丈夫だから」と、ゴリゴリ取り崩しできるメンタルは私にはありません。

 

💰いつでも仕事を選べる

これは私固有の事情ではありますが、医者には高額の単発バイトも多く、週1からの定期非常勤も多くあります。

専門性はあるに越したことないですが、免許さえあればできる仕事も十分あります。

 

ただし時給は年々下がっており、賃上げが進む他職種と比べると魅力は薄れています。

 

私はフルFIRE(本来のFIRE)は考えておらず、週1〜2回仕事をするセミリタイアを予定しています。

これだとある程度歳を取っても働けるし、株価下落で資産が減っても、少し仕事を増やせばその分取り崩し額を減らせます。

 

 

もちろん分散も大事

株式以外に私が保有する資産は、

💰米国長期債(EDV)
💰ゴールド(GLDM)
💰仮想通貨(BTC, ETH)

で、これらはインフレ対策にもなるし、資産全体のリスクを下げる効果があります。

今回の下落でリスク許容度を超えたと感じた方は、ぜひ分散投資を検討してみてください。

 

 

まとめ

・暴落時の「積み立てだからノーダメ」に違和感
・取り崩す時は必ずやってくる
・取り崩し中の暴落も必ずやってくる
・取り崩し中の暴落の備えは必須
・筆者は追加労働、分散で乗り切るつもり

今回の暴落の備えの話でしたが、加齢の備えも今度考えたいと思います。

80歳をすぎた後の資産運用方法とか。

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