行動経済学を合理的な投資に役立てよう!

投資の原理原則

こんばんは、たろうです。
前回、「医療現場における行動経済学」についてレビューを書きました。

今回は行動経済学で学んだ「人間が非合理的な判断をする癖」と投資を関連づけてお話しします。

医療現場の行動経済学 すれ違う医者と患者 読書レビューと感想
たろうです。今回は「医療現場の行動経済学 すれ違う医者と患者   大竹文雄 著」のレビューと感想を書いていきます。医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者 作者:大竹 文雄,平井 啓 発売日: 2018/07/27...

はじめに

先日友人と株式投資の話になり、こんな会話がありました。
「JTが減配して株価下落したけど、NISA枠で買っているし、1年持っていれば今の評価損を回収できるからホールドするつもり」

このやり取りを振り返って、人間の行動の癖が出ているなと感じました。

今日は株式投資における行動経済学について私の考察を書いてみます。

プロスペクト理論

よく投資の世界で「利確は早く、損切りは遅くなりがち」というプロスペクト理論が紹介されています。
これは人は利益より、損失に2.5倍敏感な傾向があり、特に参照点付近ではこの差が顕著です。
同じ5万円の損益でも、5万円の利益で得られる喜びよりも、5万円の損失で受ける悲しみの方が精神的ダメージが大きいのです。

また行動経済学では損益によってギャンブル愛好性に違いがあるとされ、
利益は確実に得ようとリスクを避ける、確実性効果が働き、
損失はリスクをとっても回避したい損失回避傾向があります。

コイントスゲームで例えてみます。
①コイントスで当たれば2万円、外れれば0円、やらなければ1万円もらえる。
②コイントスで当たれば0円、外れれば2万円、やらなければ1万円支払う。
コイントスを行うかどうかで損益の期待値は①②とも1万円で一緒ですが、

このゲームで人間は
①ではコイントスをせず利益は確実に得る
②ではコイントスをして損失を回避できる可能性に賭ける
という傾向があります。

損切りが遅れる理由

株式投資に当てはめると、含み損状態は、損切りすると損が確定してしまいますが、
ホールドしておけば、1年後には利益に転じている可能性もあるから、それに期待して損切りが遅れたり、難平買いをしたりしてしまうのです。
投資で勝率100%は不可能なので、負けを小さくして、大きく勝つという鉄則があります。ずるずる損切りを遅らせ大きな負けにしない様にしたいですね。

実践 機械的に損切り

私は保有銘柄は、直近安値割れ、25日移動平均割れなど客観的指標で逆指値売り注文を入れて、機械的に含み損が膨らまない様にしています。
トレイリング注文を利用すると毎日、逆指値をいじらなくていいので楽かもしれませんね。

サンクコストバイアス

過去に使った、取り返しの付かないお金や努力(サンクコスト)がもったいないから、今のやり方を継続する傾向を、サンクコストバイアスといいます。
超音速旅客機コンコルドの開発で、完成しても採算が取れないと分かっていたけど、それまでの研究開発費が惜しまれ、開発を継続したためについには倒産してしまったという逸話から、コンコルド効果とも言われています。

投資でも入念に企業分析をして購入した銘柄は、その労力を惜しんで、売却しにくいということがあるかもしれません。
冒頭のやり取りで、NISA枠は一度購入すると、売却してもその枠が復活しないため、これをサンクコストと捉えて、NISA枠で購入した銘柄は下落しても売りにくい傾向が出ています。

コミットメント

前述のサンクコストバイアスを、逆に利用することもできます。
身近なことで言えば、10万円のダイエット器具を買ったのに、効果がなかったらもったいないから、絶対やせてやるんだ!とコミットメントにつなげることもできます。

このように、コミットメントとは、ある選択を継続させるような工夫のことを言います。

株式投資では、おきにいりの銘柄をホールドし続ける握力に自身のない人はNISA枠を使って、自分の初志貫徹を補強するコミットメントに使うのもよいと思います。

現状維持バイアス

現状の方法から変更することを損失と判断してしまうことを言います。
楽天モバイルが圧倒的にお得な楽天アンリミットⅥを発表しましたが、
私も調べるのがめんどくさい、SIMロックがめんどくさいと、高い料金のまま、現状維持してしまっています。こんばんは、
投資でも一度作ったポートフォリオは崩したくないという心理にも関与していますね。

利用可能性ヒューリスティックス

間違っていたり偏った情報でも、身近な目立つ情報に流されやすい傾向のことを言います。
みのもんたが、寒天がいいというとスーパーの売り場から寒天がなくなるのがいい例ですね。
行列のできているラーメン屋に並ぶ心理は利用可能性ヒューリスティックスの一つ同調効果によるものですが、
上昇トレンドに入った株にさらに買いが入るというチャートの傾向にぴったり合いますね。

現在バイアス 時間割引率の特性

すぐに得られる利益と、将来得られる利益だと、現在の利益を選びがちな傾向があります。
食生活に例えると、将来スリムで健康な体でいる利益と、目の前のポテチを食べる喜びだと、ポテチをとってしまうんですよね。
投資では、上昇トレンドの銘柄は長期保有で利益が増える可能性が高いのに、10%上昇で目先の利益に目がくらんで早期に利確しちゃう傾向があります。私も長期積み立て投資目的で買っているアップル株を何度も小さな利益で売却してしまって、手数料が嵩んでしまっています。トホホ。

まとめ

私の投資経験と、行動経済学をリンクさせて紹介させていただきました。皆さんが人間の判断の癖を認識して、合理的な判断、投資の一助になれば幸いです。

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