はじめに 前回の続き
最適な債券投資について、前回はNISA成長投資枠を使って米国ETFを買うのがおすすめと書きました。
(1800万円を株式のみで埋められる人は除く)
今回は成長投資枠が使える4つの米国債券ETFを調べ、どれが適しているかを考えます。
成長投資枠対象の米国債券ETFリスト
2024/01/09現在、NISA対象の全4ファンドです。
なぜこの4つのみなのか、私にはさっぱりわかりません。
この中で私のおすすめは EDV>VTIP>(超えられない壁)>IGOV>LEMBです。
おすすめ順に見ていきます。
EDVについて
バンガード超長期米国債ETFです。
長期米国債で有名なのはTLTですが、これよりもさらにdurationが長く、ハイリスクな商品です。
(TLTのdurationは16.5年)
EDVとTLTのチャート。EDVの方が値動きが大きい
さて債券には以下の特徴を期待して投資します。
・単体でそれなりのリターンがある
その意味で
・期間は中期か長期債で
と以前考察しました。
ここでEDVとVT(全世界株ETF)の相関チャートを示します。
2021年後半からは相関係数が0を超えることが多いですが、それまではマイナスで推移していました。
株式と保有することで、リスクの低減が期待できます。
値動きが株式と同じかそれ以上に大きいので、多くを組み入れる必要はないでしょう。
ポートフォリオの20%程度で良いのかなと思います。
VTIPについて
バンガード短期インフレーションプロテクテッドETFです。
米国物価連動国債(TIPS)0-5年指数に連動する商品です。
こちらも株式とは相関が低い傾向にあり、保有する価値があると思います。
保有コストは0.04%と非常に低く、この点でもおすすめできます。
下のチャートは総合債券AGGとの比較、VTとの相関係数を表したものですが、値動きは先ほどのEDVは大きく異なり、非常に穏やかです。
このファンドもおすすめですが、私はよりリスクを取りたいので、EDVの方が好きです。
リスクパリティ的な考え方だと、リスクが低いVTIPは割合を高くする必要があり、これから資産形成をする方には向かないかもしれません。
逆に50代以上で、資産を守るほうに重点を置くならば、VT:VTIP=4:6 などで保有するのは良いと思います。
IGOVについて
米国を除く世界の国債に投資するファンドです。
新興国が含まれるとリターンは上がりますが、同時に株式との相関が高くなるため、おすすめしません。
保有コスト(expense ratio)も0.35%と高く、それならば2511やeMAXIS Slim先進国債券を買っといた方が良いです。
LEMBについて
新興国債券です。
IGOVよりもさらに株式との相関が強く、同様におすすめできません。
筆者の戦略
私はEDVを、資産の15〜20%を目安に買い進めようと考えています。
少しポートフォリオは複雑になりますが、個別株を分析することはないので、老後になっても運用は続けられると思います。
これからNISA対象ETFが増えるかもしれないので、修正できるようにゆっくり買い増していきます。
まとめ
・最もおすすめは超長期米国債EDV
・短期米国債のVTIPもおすすめ
・IGOV, LEMBは投資価値なし
現時点での理想のポートフォリオはこんな感じです。
5年くらいかけてこれに近づけ、いらないものは売却を進めていきます。
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