はじめに 国内高配当株の入れ替え候補
今年の高配当株入れ替え候補を紹介、今回が3回目です。
今回はキャッシュリッチ企業を中心に紹介します。
キャッシュリッチ企業とは
キャッシュリッチ企業を簡単に説明すると、
会社の現金(とそれに近い資産)から総負債を差し引いた額が、時価総額よりも大きい
という企業のことです。
例えば現金、株式を100億円分持っていて、総負債が50億円、時価総額が40億円の企業などがそれにあたります。
理論上はその会社を買収して、負債を返済して解散すれば、10億円の利益が得られます。
そんな上場企業が存在するのかと考える方もいるかもしれませんが、あります。
有名なところでは2005年に当時ライブドアの社長だった堀江貴文氏がニッポン放送を買収しようとした件などは、キャッシュリッチ企業に対するひずみをついたものと言えるでしょう。
銘柄選定方法
これまでスクリーニングで使用してきたSBI証券では良い方法がありません。
そこでキャッシュリッチ企業を扱っている、しーげるさんが運営する「ネットネット株の未来」というブログを使います。
毎週ネットネット株ランキングという記事が更新されているので、こちらから⑤NNWC Stocks/正味運転資本株・ランキングを参照します。
当然ながらランキングの中にもいわゆる「罠銘柄」があります。
赤字続きや業績の波が激しい、利益率が極端に低い、出来高が極端に少ないなど
これらを除いて、私が購入した、あるいは検討中の銘柄を紹介します。
私は正味の解散価値として、
を計算しています。この解散価値 ÷ 時価総額をここでは真のPBRと呼ぶことにします。
上記サイトの解散価値よりもさらに厳しい計算をします。
2023/05/09 の終値で計算
新規組入銘柄
丸八ホールディングス 3504
布団の訪問販売というなんとも古いビジネスモデルの会社です。
この会社のすごいところは300億円以上の現預金を持っていて、負債総額は148億円、時価総額が134億円という、真のキャッシュリッチ企業であることです。
なぜこのような状態で放置されているかというと、株式の2/3以上を経営陣や一族の資産管理会社で握っていて、外部から手出しできないようになっているからです。
解散価値は303.4億円、時価総額は134.1億円、真のPBRは0.44倍です。
予想PERは 4.64倍 (ただし24年3月期利益は半減予想)、PBRは 0.25倍、予想配当利回りは 3.71%です。
知多鋼業 5993
自動車部品メーカーで、PER的にも割安で業績も安定しています。
解散価値は174.7億円、時価総額は69.6億円、真のPBRは0.57倍です。
予想PERは 5.77倍、PBRは 0.34倍、予想配当利回りは 2.21%です。
増配基調にはありますが、高配当とは言えない水準なのと、出来高が非常に少ないのが難点。
TYK 5363
鉄鋼向け耐火物の大手。こちらも低PERで利益は安定しています。増配傾向で23年3月期は2年前より約2倍の配当金となっています。
解散価値は165億円、時価総額は163億円、真のPBRは0.99倍です。
上の2銘柄よりも高いですが、業績の高調査と増配基調から買うことにしました。
予想PERは 7.73倍、PBRは 0.48倍、予想配当利回りは 3.21%です。
中央紙器工業 3952
トヨタグループ。段ボールを作っている会社です。
解散価値は95.7億円、時価総額は63.5億円、真のPBRは0.66倍です。
予想PERは 12.1倍、PBRは 0.48倍、予想配当利回りは 4.12%です。
程よく割安、程よく高配当でバランスが良い投資対象だと思います。
気になる銘柄が見つかったら
これら以外にも優良な投資対象は多数あります。
上記サイトでランクインしている企業から、「企業名 IR」で検索すると、その企業の投資情報が得られます。
最新の決算短信にバランスシート(貸借対照表)が載っていますので、そこから真のPBRを計算できます。
私は業績を読むことができないので、投資対象の中には大きな減益、赤字転落となる銘柄も出てきます。
ただそうなったとしても、キャッシュリッチ企業ならば下値不安は少ないと考えられるので、私は積極的に投資しています。
みなさんも気になる銘柄が見つかったら、ぜひご自分で計算してみてください。
まとめ
キャッシュリッチ企業の中からお勧め5銘柄を紹介。
執筆時点の2023/05/09で、TOPIX ETF の1306は上場来高値を更新しました。
今買うのは少し遅いかもしれませんが、資金と時間に余裕があるのなら、私は今からでも買うことをお勧めします。
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