SBIのオルタナティブ投資「リキッド・トレンド」を紹介

はじめに 株価は急落中

株価が急落中です。

執筆時点(2024/08/02)で日経平均は前日比2000円以上のマイナス。先月の高値から14%以上の下落となっています。

 

これまで株式一辺倒のポートフォリオが正義とされたところから、明らかに潮目が変わっています。

債券やゴールド、仮想通貨などが相対的に勝るフェーズとなりました。

 

こんなタイミングに、SBI証券で新たな広告が出てきました。

それがオルタナティブ投資商品である、

SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド (愛称:リキッド・トレンド)

です。

SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド 愛称:リキッド・トレンド 追加型投信/内外/資産複合/特殊型(絶対収益追求型)

 

 

オルタナティブ投資とは

まずオルタナティブ投資について。

普通の投資信託は、株式や債券を保有することで作られています。

インデックスファンドは採用指数に連動するように作られ、アクティブファンドはインデックスを上回るように運用されています。

いずれの場合も、ベンチマークからどれだけ乖離したか、で優劣が判断されます。

全体に株価が下がってしまえば、ファンドの下落も避けられません。

 

一方オルタナティブ投資は、従来の株、債券、不動産などを保有するのではなく、未公開株や先物取引などを使い、下げ相場でも利益が出せるように設計されたものを指します。

アメリカの大学基金がオルタナティブ投資を多くしていることで有名です。

日本の年金基金であるGPIFも資産の1.46%をオルタナティブ投資にしているようです。

オルタナティブ資産の運用とは|年金積立金管理運用独立行政法人
年金積立金管理運用独立行政法人のWebサイトです。GPIFのオルタナティブ資産の運用を紹介しています。

 

 

リキッド・トレンドについて

トレンドフォローが特徴

  • マンAHLは1987年の設立当初よりトレンド・フォロー戦略の運用を行ってきました。
  • 人間の行動バイアスを100%排除したシステム(コンピューター)運用です。
  • 流動性の高いデリバティブ(先物・先渡し)を使って世界の債券・金利、通貨、株式、商品に分散投資を行います。
  • 最先端のシステムを用い、複数の「移動平均モデル」を組み合わせて上昇トレンド、下落トレンドを捕捉します。
  • 上昇トレンドを捕捉すると「買い持ちポジション」を構築し、下落トレンドを捕捉すると「売り持ちポジション」を構築することから、理論的には相場が上がっても下がっても収益の追求が可能です。

とHPには記載されています。

 

トレンドフォロー戦略(順張り投資)は、私にとって非常に馴染みのあるものです。

というのも、私がこのブログを始めたきっかけは、トレンドフォローであるデュアルモメンタム投資を知ってほしいという思いがあったからです。

 

デュアルモメンタム投資について 理論、実践法など総まとめ
目次 はじめに モメンタム投資を始めたきっかけ モメンタム投資とは 絶対モメンタムと相対モメンタム、デュアルモメンタム 絶対モメンタム 相対モメンタム デュアルモメンタム モメン...

 

株式だけでなく、あらゆるアセットクラスでモメンタムが存在することを、「ウォール街のモメンタムウォーカー」の著者であるGary Antonacci氏は指摘しています。

その点においてもこのリキッド・トレンドの投資手法は合理的といえます。

 

 

株式との相関が低い

価格が上がってきたら買い持ち、下がったら売り持ちを債券、株式、商品などに行うので、株価との相関は理論上0となります。

実際バックテストでは各指数との相関係数は -0.1〜+0.1 程度になっています。

もしリキッド・トレンドがプラスのリターンを出せるなら、資産全体のリスクリターン比は向上すると考えられます。

 

 

保有コストが安い

オルタナティブ投資の世界では、固定報酬2%/年、成功報酬20%が相場のようです。

リキッド・トレンドは固定報酬0.998%のみで、そこいらのアクティブファンドよりも低コストを実現しています。

SBI証券のみで取り扱っており、購入、売却に手数料はかかりません
(対面コースは有料)

 

 

注意点

トレードはゼロサムゲーム

広く分散された株式を長期保有することは、全員が勝者になれるプラスサムゲームです。

しかしトレードに足を踏み入れると、勝つか負けるかは五分五分、手数料の分だけマイナスの期待値となります。

 

 

買うとしても少額で

販売用資料にはリキッド・トレンドを資産の60%持つとシャープレシオが最大になると書いてあります。

リキッド・トレンドのリスクリターンが当てにならないので、こんなに保有してはいけません。

買うとしても10%も持てば十分です。

 

 

10年後に償還

本商品は期限が定められており、10年後の2034年7月に償還されます。

人気が出れば無期限になるでしょうが、予定通りの償還、あるいは純資産10億円未満での早期償還も十分考えられます。

 

 

サテライト枠で買うのはあり

商品としてはこれまでにないもので、投資理論の裏付けもある運用となっています。

コストもアクティブファンドの中では安く、検討の余地があります。

 

資産の5%でも株式と連動しない資産を持っていると、今のような下落局面では大きな役割を果たしてくれます。

債券や金、ビットコインが高くなりすぎたと感じる方は、リキッド・トレンドを加えてみてはいかがでしょうか。

 

私は余剰資金を全てFX両建てに注ぎ込んでしまっているので、購入は見送ります。

 

 

まとめ

・株価は絶賛急落中
・オルタナティブ投資を紹介
・SBI証券から新ファンド「リキッド・トレンド」発売
・トレンドフォロー戦略で面白い運用手法
・アクティブファンドの中ではコスト安
・少額で購入は全然アリ

運用開始は8月16日からだそうです。

新ファンドは開始直後が天井ということがよくあるので、そうならないでほしいですね。

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