目次
- はじめに
- 結論
- 今回検討する債券の種類:高格付けの長期債
- 海外ETFは往復で1.5%の手数料。小額なら国内ETFが良い
- 国内ETFなら2511がおすすめ
- 海外債券ETFについて
- 債券の国際分散は必要か
- まとめ
はじめに
私は最強の長期投資は全世界株、債券のポートフォリオだと思っています。
全世界株といえば、
海外ETF → バンガードのVT
投資信託 → 楽天VT, emaxis slim 全世界
国内ETF → 2559
などの選択肢があります。
ところで債券は何が良いのでしょう?
今回は株、債券の王道ポートフォリオを前提として、適切な債券ETFを考えます。
今回は最初に結論から。
結論
・買付金額が100万円以内、または積み立て目的なら日本の2511
・王道がいい人はBND (もしくはAGG)
・もう少しリスクを取りたい人はBLV (もしくはVGLT)
今回検討する債券の種類:高格付けの長期債
一般に債券は、
・デフォルトリスクが高いものが利回りが高い
先進国国債 < 新興国国債
国債 < 社債、モーゲージ(住宅ローン)債
・償還期間(duration)が長いほど利回りが高い
という特徴があります。
正しく値付けがされていれば、どの債券ETFが優れているというものはありません。
しかし今回私が探しているのは、株式と相関が低いものになります。
その方がポートフォリオ全体のシャープレシオが上がるため
そうすると新興国債や、格付けの低い社債、モーゲージ債は候補から外れます。
加えてdurationが短いと金利 < 信託報酬になってしまい、保有している意味がなくなってしまいます。
そのため3年以下の短期債は今回除外します。
つまり、高格付けの長期債が今回の前提にマッチするものとなります。
その中で楽天・SBI証券で買えるものを調べました。
海外ETFは往復で1.5%の手数料。小額なら国内ETFが良い
ここで、米国株は売買手数料が片道0.495%(最大22ドル)かかります。
さらに米ドル為替手数料もあります。
(多くは片道25銭、住信SBI銀行からSBI証券なら片道2〜4銭)
これらを考慮すると、約50万円までは、合計で約1.5%が手数料としてかかってしまいます。
日本円→米ドル→債券ETF→米ドル→日本円
国内ETFなら2511がおすすめ
一方日本市場で買える海外債券もあります。
東京証券取引所には17銘柄が上場しています。
詳細は割愛しますが、どれも出来高が少なく、安心して売買できるものはほとんどありません。
ほぼ唯一、日本で安定した出来高があるのは2511くらいでしょう。
この2511は実質コストを含めても0.15-0.16%/年 程度で済みます。
後述するように、米国の債券ETFは、選べば0.05%/年 程度で運用できますから、2511とのコスト差は年0.1%/年となります。
しかし米国ETFでは、上の1.5%のコストを回収するのに15年かかってしまうため、50-100万円以下の少額では国内ETFの方が良いと言えるわけです。
ちなみに長期米国債2621はTLTの国内バージョン(為替ヘッジあり)ですが、まだ出来高に不安があるためおすすめできません。
※ 2021年6月時点では、出来高が増えて買いやすくなってきました。
100万円(500株程度)ならば、値を動かす事なく買えそうです。
投資信託でも良いのはありません。
信託報酬が最安なのはemaxis slim 先進国債券インデックスの0.154%/年ですが、2511を上回る利点は感じられません。
海外債券ETFについて
一度に100万円以上買い付ける場合は米国ETFが候補に入ってきます。
結果、候補としてAGG, BND, BNDX, VGLT, BLVが見つかりましたので、これらを比較しながら検討します。
これらを比較するとまた非常に長くなるので、詳細は今後別にまとめようと思います。
今回は簡単に比較、紹介します。
AGG ≒ BND
ほぼ同じ商品と考えて差し支えありません。
アメリカでも大人気の総合債券ETFで、どちらも
・大人気(純資産債券部門でAGG 第1位, BND 第2位)
・経費率が安い(AGG 0.04%, BND 0.035%)
・米国債、AAA債券が70%程度
・durationは5-6年程度
強いて言うなら2021年4月現在、わずかでも手数料が安いBNDがおすすめです。
BNDX
BNDの非米国全世界版です。
やや経費率が高く(0.12%)、日本が2割ほどを占めてしまうので、あまりおすすめできません。
アメリカ人向けの商品ですね。
VGLT
長期米国債券ETFで、durationは20年以上ととても長いのが特徴です。
その分、値動きは金利の変動によって大きくなります。
同様のETFにTLTがありますが、経費率に結構差がある(TLT 0.15%, VGLT 0.05%)なので、VGLTがおすすめです。
BLV
長期総合債券ETFで、簡単に言うとAGGやBNDの長期版です。
Durationは約16年で、AGG, BNDより10年程度長いです。
また格付 A, BBBが50%以上を占めており、AGG, BNDよりもハイリスクといえます。
経費率は0.05%と安い。
債券の国際分散は必要か
今回はほぼ全て、米国債や米国社債などのETFを見てきました。
債券でも分散しようと思ったら、例えばBND, BNDXを半々で持つという選択肢もあります。
しかし売買手数料が高くなる事、リバランス時に作業が増える事を考えると、複数の債券ETFを保有するのはあまりお勧めできません。
米国のみ、が嫌な方は2511がより強くお勧めです。
ユーロ建が40%以上あり、少数ですが新興国も入っていて、全世界への分散ができます。
まとめ
・株式と合わせて保有して、バランスが取れる債券を考えた
・中長期の高格付け債券がお勧め
・100万円以上の一括なら米国ETFが良い
・AGG,BNDが最も無難
・筆者はもう少しリスクを取りたいのでVGLT, BLVあたりが好ましい
・100万円以下、毎月の積み立てならば手数料、出来高から考えるとほぼ2511一択
もしかしたら債券は株式以上に奥が深いかもしれません。
今までBLVという存在を知らなかったので、調べてよかったです。
時間を見つけて、少しずつ債券をまとめてみようかなと思いました。
コメント
[…] […]
[…] 債券投資は中長期債券にすべき! おすすめETF(国内, 米国)も紹介 […]