債券投資の最適解を改めて考える② おすすめファンド紹介

はじめに 前回のおさらい

前回の記事にて、株式投資を中心とした長期投資において、

・債券の重要性
・適切な債券割合
・米国債か、総合債券か

などについて解説しました。

 

債券投資の最適解を改めて考える①
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前回は長くなってしまったため、具体的なおすすめ商品まで書くことができませんでした。

そこで今回は2023年6月現在において、何がおすすめファンドかを、債券の種類ごとに考えてみたいと思います。

 

 

米国総合債券:SBI AGG

まず米国市場も含めた全ての債券の中で、私が最もおすすめするモノは、SBIアセットから2023年6月に登場したばかりのSBI AGGです。

このファンドの正式名称は

SBI・iシェアーズ・米国総合債券インデックス・ファンド
愛称:サクっと米国総合債券

なのですが、長いしわかりにくいので私はSBI AGGと呼んでいます。

 

米国AGGとの比較など、詳しくはこちらで解説しています。

 

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はじめに SBIアセットから11本の新ファンドが登場 投資界隈では話題になっていますが、SBIアセットから2023年6月、11本の新ファンドが設定されました。 その中で、SBI-iシェアーズシリーズか...

 

私は前回書いた記事、債券ファンド総論では総合債券よりも米国債をおすすめしていました。

なぜ米国債ではなく総合債券を最もおすすめとしているのか。

理由は非常に単純で、どの債券ファンドよりもコストが安いからです。

 

過去のシミュレーションでも、また理論的にも社債を含まない米国債の方が良いのですが、米国債ファンドでSBI AGGより低コストなものはありません。

ここは理論よりも実践を優先して、私はSBI AGGをNo.1ファンドとします。

 

 

米国国債:2838など

米国債に投資できる一般投資信託は、コスト的に許容できる商品がありませんでした。

また米国ETFは、楽天証券やSBI証券で買付手数料無料の対象のものがありません。

なので東証ETFから探します。

 

この時点で配当を受け取らなくてはならない(=税の繰延ができないため、税金的に不利)ので、おすすめ度はやや下がります。

 

一度に数百万円以上売買できる方は売買手数料が抑えられるので、IEF (7-10年債) やVGLT (20年超債) が良いでしょう。

 

その中で米国7-10年債で、為替ヘッジなしのファンドが 1486, 1656, 2647, 2838 の4本ありました。

銘柄コード   信託報酬 (税込)  純資産 (億円)  平均売買代金 (万円)
1486 0.176% 371 26589
1656 0.154% 358 1784
2647 0.143% 44 1751
2838 0.132% 58 1069

いずれもマーケットメイク(売り気配と買い気配が大きく乖離しないように、メイカーが板を提供する制度)対象

 

正直どれも似たり寄ったりですが、強いて言うなら最も信託報酬が安い2838でしょうか。

私が計算したところ、実質コストも 0.164%程度と、高くありませんでした。

 

ETFの決算を見ても期中の平均純資産額がわからないため、一般投資信託のような総コストは計算できません

 

 

先進国債券:eMAXIS Slim 先進国債券

eMAXIS Slim 先進国債券の最大の特徴は世界中の債券に分散しているという点です。

名称は先進国債券となっていますが、中国やメキシコ、マレーシアなど新興国にも投資しています。
(米ドル建ての割合は約半分)

特に最近のユーロ高、ポンド高の恩恵を受けたい方には最もおすすめできる商品です。

 

 

他にはニッセイ外国債券インデックスファンドや、たわらノーロード先進国債券などもあります。

これらは全てFTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)に連動するファンドで、信託報酬はどれも横並びです。

なのでどれを買っても良いのですが、特にこだわりがなければeMAXIS Slimで良いでしょう。

 

 

同じインデックスに投資するETFで2511がありますが、配当金が自動再投資される一般投資信託の方が税金的に有利なので、現在私はそこまで強くお勧めしてはいません。

配当金を受け取りたい方は2511一択なので、こちらを検討しても良いかと思います。

 

外国債券ETF 2511 を解説 ~債券投資の最適解~
分散投資に欠かせない債券。債券投資は外国債券2511が最もおすすめ。低コスト、地域・通貨分散、流動性高いため債券はこれ1本で十分です。

 

 

ハイイールド債券:SBI米国ハイイールド債券

このクラスのおすすめは、やはり6月に新登場したSBI iシェアーズシリーズの商品です。

 

投信・外貨建MMF|SBI証券
投資信託ならSBI証券。投資信託はNISAやつみたてN...

 

そもそもハイイールド社債は株式と相関が高く、保有するメリットが薄いのですが、債券中心に投資して、なおかつリスクを取りたい方には検討の余地があります。

この商品は信託報酬が 0.2138%と、ハイイールド社債の中では最低水準です。

 

 

新興国債券:iFree 新興国債券

こちらも米国ハイイールド社債と同様で、債券でリスクを取りたい方に向けた商品です。

大和アセットの iFree 新興国債券が最もコスト安のようですが、信託報酬 0.242%、総経費率 0.35%と高めなのと、利回りを狙うなら米国のハイイールド社債の方がコスト安でおすすめです。

 

iFree 新興国債券インデックス
iFree 新興国債券インデックスの運用実績を掲載しています。運用実績は、日時、週次、月次、期間指定日時でご覧いただけます。時系列データ、決算・分配金などもご確認いただけます。資産運用に役立つ情報をご提供しています。ファンドのことなら大和アセットマネジメント株式会社。

 

 

まとめ

・債券ファンドのおすすめ商品を分類別に紹介
・SBI AGGが最良ファンド
・eMAXIS Slim先進国債券もかなり良い
・米国債は国内に4ファンドあり、どれも一長一短
・ハイイールドならSBI の新商品が比較的低コスト

 

2023年6月現在のおすすめ債券ファンドをアップデートしました。

1位 SBI AGG
2位 eMAXIS Slim 先進国債券
3位 先進国債券 2511
4位 米国AGG

個人的ランキングはこんな感じです。参考になれば幸いです。

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