目次
はじめに 債券ETFの続き
以前、債券ETFは何が良いかという記事を書きました。
この中で国内で買える海外債券ETFとして、外国債券ETF(為替ヘッジなし) 2511 を挙げました。
その後調べていくうちに、思ったよりも良いファンドだなと思ったので、今回は独立して紹介しようと思います。
ちなみに、こちらには為替ヘッジありの2512もありますが、通貨分散ができる、為替ヘッジをしない 2511 を今回は紹介します。
外国債券ETF 2511の概要
正式名称は
NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信
略称 外国債券(為替ヘッジなし)ETF
という長い名前のファンドです。
債券を比較する上で大事なのが以下の5つです。
先進国中心の全世界国債
先進国国債なので極めて高い
7.8年。世界最大の債券ETF、AGG(米国総合債券市場 ETF)が6.35年で大差なし
2.82% (2023年5月)
税込0.132% + 隠れコスト
* 別に売買手数料で往復 0.06%
決算短信から経費を詳しく計算すると、
1年間の純資産平均は
(62.45 + 58.08) / 2 = 60.2億円
経費率は 0.0814/60.2 → 0.135 % /年
決算書を見ても隠れコストは高くないと考えられます。
2024/05/14 追記
同様の計算を2022年3月, 2023年3月期の決算でも行いました。
2022年は総経費 0.300 億円、純資産平均 206億円で、経費率 0.146 %/年となりました。
いずれの時期においても大きな隠れコストはないとわかりました。
2511の利点、欠点
利点1 米国ETFと比較して手数料が安い
米国株、ETFの売買手数料は、片道 0.495% (最大22ドル)、為替手数料片道 25銭 (住信SBIネット銀行からSBI証券だと片道3〜6銭) が一般的です。
と、金額や証券会社によって異なりますが、少額を普通に買い付ける場合は、約 1.7 % がかかります。
これをAGG (米国総合債券ETF) で取り返そうと思うと、15年くらい保有しないとコストの元が取れません。
(コストの差がだいたい0.1%/年のため)
多額 (100万円以上) 、あるいは住信SBIを利用した買い方をしない限り、なかなか海外ETFはおすすめできません。
利点2 通貨分散ができる
米ドル、ユーロともに 40 %強の割合で、ポンドや豪ドルなどが続きます。
一方米国 ETFの AGG は米ドル建てになるので、それよりも分散が図れます。
為替ヘッジを “しない” 方が、為替リスクを抑えられると考えています。
(これ一本でドル、ユーロ、ポンドなどの分散投資ができるため)
欠点 呼値が大きい → 改善あり(2021年11月)
呼値(よびね)とは、1株に対し注文できる最小の値幅(刻み値)のことです。
この2511の呼値は 1円です。(2021年4月時点)
以前は呼値は株価によってのみ決まっていました。
今は一部の大型株に対しては、より細かい呼値が採用されています。
呼値は細かい方が投資家にとっては有益です。
例えば、買い気配 50円、売り気配 51円の株があったとします。
この場合、どちらで約定するかによって、いきなり2%の評価額変動が起こります。
この2511も呼値が価格の0.1%あるので、やや高いなと感じます。
一方AGGは114ドルで呼値が0.01ドルなので、遥かに取引しやすいといえます。
ほぼ同じ商品が eMAXIS Slimにあり
こちらです。
対象指数はいずれもFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)です。
2022年4月25日の運用報告書では、総経費率は 0.17%/年 でした。
上記の2511とは違い、報告書に直接記載されているので、より信頼性が高いと考えられます。
計算上は2511の方がわずかに安くなりましたが、計算方法の違いがあるため、どちらが良いとは言えない程度の微差です。
どちらを選ぶかは、配当金の扱いで決めると良いと思います。
eMAXIS Slim… 自動再投資
あと債券ではほとんど違いはでませんが、すぐ売り買いできるのはETFである2511になります。
まとめ
・2511は世界分散された、低コストな債券ETF
・より為替の分散がされているのが、AGGなどとの違い
・大口の買い付けでなければ、債券投資の最適解と言える
・emaxis slim先進国債券もほぼ同じ商品。お好みで
米国超長期国債ETF (2621) もおすすめ債券ファンドです。
よりリスクを取りたい方はご検討を。
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