はじめに 投資がますます低コストに
新NISAが2024年から開始となり、各証券会社が手数料の減額などで競争しています。
その中でネット証券の最大手であるSBI証券が為替手数料、米国株売買手数料を無料化するというニュースが出てきました。
以前私は債券投資をするならSBI AGGがおすすめと書きました↓
この無料化を踏まえて、NISA枠でのおすすめ債券ファンドについて計算しました。
今回は本家AGG vs SBI AGG について、もう一度コスト比較をします。
AGG、SBI AGGの基本情報
AGGは iShares Core US Aggregate Bond ETF の略称(日本で言う4桁の証券コードのようなもの)で、米国債、高格付社債を中心に広く分散された債券ファンドです。
ほぼ同じ投資対象のBNDと並んで、最も運用総額の大きい債券ファンド(約14兆円)です。
保有コストは年 0.03%で、こちらもBNDと並んで全てのETFの中で最低水準です。
2003年9月に上場し、すでに20年以上の歴史があります。
10年チャートは以下の通りで、配当を無視したリターンはマイナスとなっています。
配当利回りは3.14%で、近年上昇傾向にあります。
本家AGG vs SBI AGG コスト比較
ここからは米国ETFの本家AGGと、今年(2023年)に登場したSBI AGGのコストを比較します。
なお条件として、新NISA 成長投資枠で購入し、SBI証券で買い付けるものとします。
おさらいですが、新NISAの特徴として、
・成長投資枠で債券にも投資可能に
(以前は一般NISAでしか買えなかった)
というものがあります。
さらにSBI証券は新NISAでの米国株・ETFについて、売買手数料を0にしました。
また為替手数料も2023年12月より0にしています。(こちらは課税口座も対象)
前置きが長くなりましたが、設定時(2003年9月)から新NISAが使えたとして、実際の利益はどのようになったか考えます。
日本から投資する場合は、NISAを使っても10%の現地課税がされます。
本家AGG
AGGは毎月配当があり、その配当は10%が課税されます。
2003年9月の101.74ドルから直近の12月22日98.83ドルで、配当再投資時の価格は186.24ドル(税金考慮なし)、154.84ドル(10%課税後)となりました。
価格のみでは年率(=CAGR) -0.14%、配当再投資(税金考慮なし)は +3.03%、配当再投資(10%課税後)は +2.10% でした。
SBI AGG
SBI AGGの信託報酬は0.0938%となっており、運用開始から1年以下のため隠れコストは不明です。
ここでは仮に実質コストを年0.1%(隠れコスト0.0062%)と仮定します。
この場合、SBI AGGは152.69ドル相当となりました。
(AGG価格は2003年9月101.74ドル、現在値は98.83ドル)
年率換算で +2.02%でした。
結果まとめ
総リターン | 年率 (CAGR) | |
価格のみ | – 2.86% | – 0.14% |
配当再投資(税金考慮なし | + 83.05% | + 3.03% |
配当再投資(10%課税後 | + 52.19% | + 2.10% |
仮想SBI AGG | + 50.08% | + 2.02% |
2024/1 追記:AGGはNISAの対象外
ここまで書いて初めて気がついたのですが、AGGはNISAの対象外でした。
執筆時点(2024年1月)で米国債券ETFで対象になっているのは、
IGOV(非米国国債)
LEMB(新興国現地通貨債券)
VTIP(米国インフレヘッジ短期債)
代表的なETFはてっきりNISA対象だと思っていたので、大きな勘違いでした。
SBI AGGにはこんなメリットも
特にSBI AGGをおすすめできる人といえば、
・成長投資枠が株式などで埋まってしまう
・少額から投資したい
(AGGは1株 約1.4万円かかる)
などが考えられます。
どちらも低コストなので、好みに合わせて選べば良いと思います。
まとめ
・ただしAGGやBNDはNISAの対象外
・基本的にSBI AGGおすすめは変わらず
今後は
・米国総合債券 vs 世界国債インデックス
・オルカン vs VT
なども調べる予定です。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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