年末の税金調整 株式で損失を作る方法を実践

はじめに 税金の最適化に大忙しの年末

 

投資で利益が出たら税金が発生します。

投資に限らず、ほぼ全ての商活動において利益には税金がかかります。

 

株式の譲渡益、配当は

所得税 15.315%
住民税 5%

が課せられます。(復興税含む)

 

さてどうしても税金を減らしたい筆者は、年末になると利益 or 損失を作り出して年間損益を0に近づけるべく奮闘します。

今回は株式の損失を作り出すやり方、その実践結果をお伝えします。

 

 

非課税枠の確認

今回は妻(無職)の口座の話になります。

まず今年はいくら利益が出せるかを計算しました。

 

住民税の基礎控除 45万円(所得税は48万円)
iDeCo 18.4万円(2.3万円 × 8ヶ月)
合計 63.4万円

(現金が不足していたため、iDeCoは4ヶ月拠出を停止していました)

 

ここまでは利益や配当を受け取っても課税されません。無職万歳。

 

まず国内の高配当株約60社に投資しており、その配当が約20万円ありました。

またこれらの銘柄入れ替えの時に、約20万円の売却益が出ていました。

この時点で約23万円の余裕があります。

 

そこで課税口座で購入している投資信託などを一部売却することにしました。

 

 

うっかり利益を出し過ぎてしまった

売買タイミングで損したくないため、同日に別のファンドを買うことにしました。

例:eMAXIS Slim全米株式を売って、同日にSBI • V • S&P500ファンドを買う

 

そうなると売却金額と同額の買付余力が必要になります。

そこで毎日少しずつ売却、購入を繰り返しました。

ただ売却期間の中で株価が上昇し、売却が終わった頃には想定外の利益が出ていました。

 

この時点で合計68万円以上の確定利益が発生しました。

無税上限から5万円近くの超過となってしまいました。やばい。

 

 

利益を出しすぎるとどうなるか

多くの市町村では、住民税の非課税は年間課税所得45万円以内です。

給与所得控除が別で55万円あるため、いわゆる55+45=100万円の壁と言われる

 

それを超えると給与ならば所得税5%(復興税除く)+住民税10%、株の利益ならば上記の20.315%がかかります。

 

また住民税には

・所得割額
・均等割額

というのがあり、住民税課税対象が1,000円でも発生すると、均等割が発生します。

(多くの市区町村で5,000円)

 

なので5万円の超過利益には、

50,000 × 20.315%+5,000=15,157円の税金が発生します。

 

特定口座で源泉徴収ありの場合は、均等割はかからないと思います。間違っていたらすみません。

 

 

損失探し 個別株を確認

S&P500投資信託を売る時には、少し利益を出し過ぎても個別株で調整できることを確認していました。

ところがポートフォリオを確認すると個別株は軒並み含み益。

すぐに売却できて損を作れるのは1万円ほどしかありませんでした。

投資信託を売却している間に、個別株も同様に上がっていたためです。

 

というわけで、4万円の利益はどうしても消せませんでした。

 

 

ダブルブル、ベアの両買いを実行

 

株式で損失を作り出す方法は、先物やFXよりも困難です。

パッと思い浮かぶのは信用取引で個別株を両建てする方法です。

(この場合、最低でも信用売りの方で貸し株料が発生します。)

 

しかし私は信用口座を持っておらず、信用取引の方法がよくわかりません。

 

というわけで、やむなく2倍レバレッジのブル、ベアを買うことにしました。

 

東証に上場しているレバレッジETFは以下から調べることができます。

銘柄一覧(レバレッジ型・インバース型商品) | 日本取引所グループ
日本取引所グループは、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所等を運営する取引所グループです。

 

 

期限は12月27日

国内現物株式においては、株式の受け渡しは約定日の3営業日目と決まっています。

つまり年内の損益として反映されるのは、大納会の2営業日前ということになります。

2023年は大納会は12月29日なので、12月27日までに約定する必要があります。

 

https://info.monex.co.jp/news/2023/20231129_01.html#:~:text=なお、国内上場株式の,日も同日となります%E3%80%82

 

 

使用するETF、証券会社

日経ー2倍は、1459 1360 1356 で回す
日経+2倍は、1458 1570 1579 で回す

という方針としました。

損失が出た方を売り、同じ日経レバETFを買うことになるため、最低2つ以上のETFが上場している必要があります。

 

株、ETFを同日に売り→買いをしてしまうと、損益上は買い→売りと計算されてしまい、利益や損失が約半分になってしまいます。

 

ETFの選定基準は

・出来高が多い
・株価が安い(微調整がしやすいため)
・呼値が小さい
(例えばベア2倍 1357 は出来高は大きいが、株価208円で呼値が1円と大きい。一瞬で0.5%も動いてしまう)

を考えました。

 

また今回は楽天証券、SBI証券を使いました。別の証券会社であれば、同じETFを売買しても損益が別々に計算されるからです。

ただし資金移動が厄介なので、より多くの資金が必要になるというデメリットがあります。

 

基本的に成り行きで売買するため、寄り(前場、後場)か大引けで売買するように心がけました。

 

 

実践記

資金は最大で750万円まで用意できることを確認し、12月22日(金)に開始しました。

週明けの25日、日経平均は0.4%ほど値上がりしてスタートし、ベアの方で約1万円の損失が出ました。

そこからは全く値動きがなく、翌日26日(火)も終わってしまいました。

 

この間も売買はしましたが、1,000円程度の損失を出すのが精一杯で、注文のミスなどで無駄な損失を出してしまいました。

 

欧米はクリスマスで休場しており、また年末は売買が控えられ値動きも乏しくなります。

 

もうダメかと諦めていましたが、最終日の27日に日経平均は1.2%を超える上昇を見せ、ベアは大きく下落。

ここでようやく目標の損失を作ることができました。めっちゃ嬉しかった。

 

12月22日から27日にかけての日経平均ETF(1321)チャート

 

 

結局トータルで6万円程度の損失を作り出し、翌28日に全て決済しました。

 

 

一連でかかった費用

レバレッジETFの場合、多くが信託報酬 0.8%ほどかかります。

例えば300万円ずつ両建てした場合、全体で6日間保有していたので、

3,000,000 × 2 × 0.008 × 6/365 ≒ 800円ほどかかる計算となります。

 

そして実際の結果は、4,600円ほどのマイナスとなりました。

 

 

結果と感想

個別信用取引の方が、値動きも大きくコストも安くすんだでしょう。その意味では頭の悪いトレードをしてしまいました。

 

そしてレバレッジETFの両買いは思った以上に損失が出てしまう事がわかりました。

結果は -4,600円でしたが、ここにはたまたまうまく行ったトレードも含まれており、1万円以上損しててもおかしくなかったです。

 

ETFでは、理論価格から乖離した値段で取引されていることが多そうです。

かといって投資信託では1日遅れだし、1日1回しか取引できないため、急ぎには不向き。

 

二度とやらないつもりです。

 

ただしやらないよりはマシだったかと思います。

支払う税金>損失にはできたので。

(利益は来年に持ち越されるが、来年は基礎控除+iDeCoで45+2.3 × 12=72.6万円の非課税枠ができるため、容易に譲渡益税0にできる)

 

 

まとめ

・想定外の利益が発生。
・レバレッジETFのブル、ベアの両買いを実践。
・結果的に損失づくりは成功。約6万円の利益を来年に先送り。
・700万円以上現金を準備して、4,600円の純損失。
・やらないよりはマシだったが、二度とやらない。
・損失作りは信用口座で両建てがおすすめ

 

こんな少額の税金くらい普通に納税していたら、人生もっと楽しいと思います。

でも気になってやらずにはいられない。それが筆者の悲しい性です。

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