税の最適化を考える 含み損解消、両建ての具体的手法

はじめに 今年は税金が多くなりそう

 

2023年は株式市場にとって非常に良い1年となっており、TOPIXは年初来+21%、円建てS&P500(2558)は+28%、全世界株式(2559)は+22%といずれも大幅高です。(いずれも2023/07/26時点)

 

配当再投資の投資信託を長期保有している方は関係ないですが、売却した or 配当を受け取っている方は20.315%の税金が発生します。

特に今年のような好調時には税金も多くかかります。

 

この税金はある程度コントロールすることができ、それによって将来の運用成績に大きな違いが出てきます。

そのやり方を今回は紹介しようと思います。

 

基本は税の繰り延べ(税金を納めるのを後回しにする)のやり方になります。

一部税金を減額・消滅させるような方法にも触れたいと思います。

 

 

なぜ税金を先送りにするのか

簡単にいえば、払うはずの税金を先延ばしにできれば、その分を運用に回せるため運用成績が良くなる、という理由です。

 

過去にS&P500で30年間のシミュレーションをしましたが、以下のような結果となっています。

 

繰延 9.31倍 7.72%/年
課税 6.77倍 6.58%/年
指数 11.38倍 8.44%/年

 

繰延と課税では年率換算で1.14ポイントの差がつきました。

(マイナスは3年間繰り越せる、繰延も最終年に税金を納めるという仮定で計算しており、かなり現実的なシミュレーションとなっています)

 

税の繰延効果について インデックス長期投資はやっぱり強い!
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効率的な資産運用のためには、税の繰延はマストと言っても過言ではありません。

 

 

最も簡単なやり方 含み損を確定する

ここからは実際に損失を「作り出す」方法について考えます。

最も簡単なのは、含み損が出ている株や投資信託を売るという方法です。

 

簡単で再現性があるためか、ほぼ全てのサイトでこの方法しか紹介していません。

 

非常に簡単ですが、注意点として

個別株を同日に買い戻すと損失が減ってしまう

ということを覚えておいて下さい。

 

同日内だと「売り→買い」をしても帳簿上は「買い→売り」となってしまいます。

例.
ある会社を1000円で100株買い、500円に値下がりした。

 

500円で売れば5万円の損失。もし同日に買い戻してしまうと、1000円で買い、さらに500円で買ったのと同じになる。ここで平均取得単価が750円。

 

その後に100株売ったので、2.5万円の損失が計上される

 

これを防ぐためには翌日以降に買い戻すか、日経平均や同業他社などを買ってヘッジするという方法があります。

投資信託の場合はより簡単で、同じ指数に連動する投資信託に乗り換えることで損失が確定します。

 

こういう時に個別株分散投資をしていると損失が作りやすくなります。

全体で利益が出ていても、少しくらいは含み損の銘柄があるからです。

 

 

税の繰り越し 年末に両建て

 

さてここからが上級者向けのやり方になります。

1つ目とは違い、新たに損失を作り出すというものです。

 

わかりやすくFXの例で考えます。

ある口座(なるべくスプレッドが小さく、売買のスワップ差が小さい通貨、証券口座)に証拠金25倍以上の入金をします。

そこで例えば米ドルのロング(買い)とショート(売り)を両建てします。

これを年末に行い、年明けにポジションを閉じます

 

1円動いた時に含み損の方を一旦決済し、すぐに同じポジションを建て直します。

すると1万ドルあたり1万円の実現損失を作り出すことができます。

 

あとは年が明けたらいずれも決済し、1万円ー取引コストの実現益をだしておしまいです。

 

この取引にかかるコストは、GMO証券ならばスプレッドは0.2銭、スワップは +207円 / -210円(2023/07/26時点)なので、

・売買にかかるコストは10,000 × 3 × 0.002=60円
・スワップのコストは 3円 × 日数

年末年始で10日間ポジションを持っていると、トータルで90円かかります。

 

必要資金は1ドル141円として約11万円。

 

このように証拠金取引ができるFXや先物取引は低コスト、少額で損失を作り出すことができます

 

 

株式の方も考え方は同じですが、信用取引で両建てする方法と、日経ETFと日経インバースETFを両買いするというやり方などがあります。

 

「株式、投資信託」と「FX、その他の先物取引」は別勘定されるので、これらを相殺することはできません。

 

 

株の利益を別名義へ?

究極と言えるやり方は、利益を基礎控除を使っていない人へ移すというものです。

 

基礎控除を使っていない人というのは、学生以下の子供や専業主婦などです。

 

これができれば基礎控除内(所得税は48万円、多くの自治体で45万円以下は住民税均等割が0)であれば税金はかかりません。

 

このやり方をブロガーの九条さんが解説しています。

株式の節税マニュアル(3) 控除枠活用の利益移転

 

配当権利確定日に売買すれば利益移転ができると書いてありますが、これは再現性がありません。

利益を別名義に移動させるのは不可能だと思います。

 

【利益を異名義に移せない理由】

両建てはどちらに利益が出るかわからないけど、どちらでも良いというやり方なのに対し、これは本人の方に必ず損失を出さなければならないわけです。

どちらに利益が出て、どちらに損失が出るかわかれば、それはもはや両建てなどする必要がありません。

利益が出る方のトレードを繰り返せば、あっという間に億トレーダーになってしまいます。

 

 

まとめ

・税金は先延ばしが絶対おすすめ
・基本は年末に両建て、年明けに決済
・別名義に利益を移転するのは不可能

今回は株式のクロス取引にかかるコストを計算していません。

また細かく計算して紹介したいと思います。

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