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はじめに 年金の追納制度など
大学や専門学校などへ進学する方が多く、20歳の時点で職についている人は少数派の世の中になっています。
その場合、国民年金の学生納付特例制度を使い、支払いの猶予をしている方も多いと思います。
私も親に払ってもらえるほど裕福ではなかったので、この制度を使っていました。
その後何度か年金機構から追納のお知らせをもらい、追納を検討したことがありました。
ネットで「年金 追納 すべきか」などで調べると、多くのサイトは追納を勧めています。
色々調べて計算して、結局は追納をしない事に決めたのですが、その理由について今回は書こうと思います。
追納制度について、詳しくは機構のHPをご覧ください。
簡単に言うと、10年前まで遡って追納ができて、直近2年分は利子がかからないという決まりがあります。
計算方法 ねんきんネットに登録して確認
追納する場合、その額はいくらになるのか、追納した場合年金はいくら増えるのか
これを何も見ずに答えられる方はいないと思います。
ここで機構のねんきんネットというのが便利で、これを使います。
登録するのに確か数日かかりますが、やっておいて損はありません。
私の追納可能額は、36ヶ月分で548,760円です。
私は所得税、住民税、復興特別支援税で約45%の税金がかかっているので、正味の追納額は30.2万円になります。
その分ふるさと納税できる額が少なくなりますが、ここでは省きます。
次に追納した場合の上乗せは以下のようになります。
年間約5.8万円が生涯上乗せされます。
支払っているのは30.2万円なので、僅か5年余りで元が取れる計算になります。
追納額を投資に回したら
しかしこの30.2万円は、投資で運用することができます。
しかも30〜40年後の話なので、年率リターンもある程度予測をつけることができます。
果たしてその場合はいくらになるでしょうか。
利回り(30.2万円) |
30年後 |
35年後 |
40年後 |
2% |
54.7 |
60.4 |
66.7 |
3% |
73.3 |
85.0 |
98.5 |
4% |
98.0 |
119.2 |
145.0 (万円) |
私は30代前半ですので、35年後には年金をもらっている年齢になります。
上の表と写真を比較すると、私の場合は
・年2%で運用できた場合と比べ、追納は77歳くらいで元が取れる
・年3%のリターンなら81, 82歳くらい
・年4%のリターンなら85歳くらい
とわかりました。
このシミュレーション結果をどう捉えるかは人によると思いますが、私は追納しないという結論に至りました。
注意:
年金はマクロ経済スライドを採用しているので、インフレになったらその一部を上乗せする決まりがあります。
しかし同様に制度維持のため、人口減少によって支給額が下がる事も示されています。
また受給開始年齢を変えることで今回の計算も変わってきます。
色々と不透明なため、支給開始年齢は基準の65歳、現在の支給見込みがそのまま続くと仮定しました。
おそらく追納に有利なように計算しています。
・私は節税面でかなり有利な立場である
・人口減少による、受給額の減少は考慮していない
・予想運用利回りを厳しめに試算している
ちなみに所得税が 20% (所得 330 – 695万円) ならば、たとえば年 3%で運用できた場合、40年後には121.8万円になります。
これを超える分岐点は85、86歳頃となり、追納のメリットは余計薄くなります。
追納がメリットになる人 ほぼいない
税金の還付で45%戻ってくる私でこの結果なので、ほとんど全ての人に得はないのではないかと思います。
追納が向いてるのは、
・手持ちの金をすぐ使い切っちゃう
・絶対投資なんてしないと決めている
・所得1800万円以上など、もっと税率が高い
・長寿家系の方
くらいでしょうか。
私は家系的に早死にしそうです😭
トップサイトでもよく、追納は10年で元が取れると書いてあります。
これはインフレが全く考慮されていないので、(ほぼ) 完全な誤解です。
今の1万円と40年後の1万円は価値が全く違います。
また追納しなかったあなたの資産は、投資によって高確率で増やすことができます。
投資が嫌いな人ももちろんいるでしょうが、そもそもGPIF (年金積立金管理運用独立行政法人) が年金原資をリスク資産にブチ込みまくっているので、株価によって受給額が変わる未来は変えられません。
まとめ
・国民年金には10年間の追納制度がある
・しかし追納はお勧めできない
・ねんきんネットの登録はお勧め
いろんなファクターを考慮して検討しているサイトが、(上位には) 見つからなかったのが残念です。
私の考えが判断の一助となれれば幸いです。
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