これから暴落は起こるのか!? 過去の大暴落を検証、今後の考察

投資の原理原則

目次

はじめに 最高値更新の今、暴落について考える

コロナショック以降、株価は順調に上昇しています。

S&P500は2020年3月の底値2191.86から、6月14日に史上最高値を更新し、4255まで上昇しています。

私が本格的に投資を開始したのが年明けなので、まだ大きな下落を経験していません。

 

リーマンショック時には主に中国株投資をしていましたが、現在とは全く異なる (稚拙なやり方だったため、経験してないのと同じです。

私はデュアルモメンタム投資をしていますが、その最大の理由が暴落を避けるためです。

しかしこれは税金が繰延できない、売買手数料がかさむという点から、バイアンドホールドより明確に期待値が下回ります。

つまり今後起きる暴落が大したことはない、あるいは許容できるのであれば、素直にインデックス長期投資をした方が良いと言えます。

なので今回は主要な暴落を振り返り、同様のことが今後起きるのかについて予想してみようと思います。

 

暴落の歴史

S&P500の過去の暴落が、以下のグラフに示してあります。

縦軸プラス部分が「ヶ月」マイナス部分が「%」

investpediaのHPより引用

S&P500が現在の形で算出されたのが1957年からなので、それ以降となっています。

こう見ると12年、2030%の下落は珍しくないと分かります。

今後も繰り返し起こるでしょう。

 

さて3年を超える長期下落、40%を超える暴落はどのように起こったのでしょうか?

またそれは将来も起こり得るのでしょうか?

 

過去の暴落 

1973-1974年

Wikipedia1973–1974 stock market crashのページをdeepLで翻訳したものを抜粋します。

1973–1974 stock market crash – Wikipedia

19731月から197412月までの約2年間で、ダウ平均は45%下落した。

アメリカ経済は実質GDP成長率 7.2%からマイナス2.1%へと減速し、インフレ率(CPI)は1972年の3.4%から1974年の12.3%へと急上昇した。

アメリカは1973年から74年の暴落が始まってから20年以上経った19938月まで実質的に同じ水準になりませんでした。


という大きな下げでした。

インフレを考慮した水準に戻るのに20年かかった、というのは初耳でした。

下にS&P500の超長期チャート、インフレ考慮後のチャートを載せます。

見た目は全く別の形をしていますね。

 

S&P500 超長期チャート

 

S&P500  インフレ考慮後

 


1970-1980年代のインフレがいかにキツいものだったかがわかります。

この頃は1971年にニクソンショック (金本位制の終了)1973年のオイルショックなそ、歴史的事件が多く出ました。

オイルショックは日本でも大きなニュースになりましたね。

欧米諸国はスタグフレーション (景気悪化とインフレが同時に起こることに見舞われ、この景気後退をきっかけに日本は高度経済成長が終わり、アメリカは戦後最長の景気後退となりました。

 

2000-2002年

これはみなさんご存じの、ITバブル (ドットコムバブルとその崩壊です。

特にNASDAQ100 ETF (QQQ) は、20003月高値120.50から200210月の19.76まで、実に84%も下落しました。

この高値を超えるのは、実に15年以上後の201612月になります。

後述する1930年代の大恐慌がハイテク株で起きた感じですね。

 

2007-2009年

これもご存じリーマンショックです。

その名の通り、大手証券会社のリーマンブラザーズが破綻した事が由来になっています。

英語ではthe financial crisisと呼ばれているようです。

元々はアメリカの住宅バブル崩壊により、サブプライムローン危機が起こり、リーマンブラザーズ破綻まで繋がっていきます。

サブプライムローン危機:
アメリカでは住宅ローンの証券化が一般的に行われています。
それを銀行や証券会社などが取引します。 

住宅価格が上昇から下落に転じた時、一部のローンが焦げ付き、それがまた売りを呼び、どんどん価格が下がってしまうというスパイラルの事。 

多くの人が家を追われ、証券購入者も多額の損失を出しました。

 

S&P500は算出開始以来最大の56%下落となり、世界中で株価は暴落しました。

この時日経平均はバブル後最安値の7055円 (終値をつけ、高値から51%安となっています。

 

番外編 1929-1932年

ダウ工業平均は19299月の高値381.17から193278日までの間に、終値は20世紀の最安値である41.22となり、3年足らずで89.2%の下落となりました。

その間、1日に10%を超える下落を何度も経験し、上昇の兆しを見せてはまた下落するというサイクルを繰り返します。

1929年の高値を超えるのは、25年経った195411月まで先になります。

 

暴落・低迷の共通点

暴落するに至った明確な原因はない、というのが特徴だと思います。

例えばリーマンショックの引き金は住宅価格の下落ですが、住宅価格が下落した明確な理由はありません。

バブルで上がっていたから下がったんだ、と考えることはできますが、2007年に下げた理由までは説明つきません。

そもそもバブルはその最中にわかるものではなく、下げて初めてバブルだったとわかるものです。

同様に、ITバブル崩壊や1930年代の大恐慌も、暴落の時期や原因を説明する事は難しいです。

売りが売りを呼ぶ、下げたから下がる、という状態に長く陥ったからというのが最も理にかなった説明かと思います。

唯一の例外は、昨年(2020年)のコロナショックでしょうか。あれは明らかにウイルスの蔓延により経済活動がストップし、実体経済に大打撃を与えました。

人間の欲望や恐怖は過去も未来も変わりなく、ずっと続きます。

その中で行き過ぎた価格になることも必ず起こります。

であるならば、

過去のほとんどの暴落は、今後も起こる可能性がある

と言えます。

 

結論 分散すれば暴落も怖くない

市場が成熟し、中央銀行の舵取りが上手くなる事で、波をうまく抑えられるようになるかもしれません。

例えば量的緩和は、アメリカではリーマンショック時に市場初めて行われました。

しかしそれは今判断できることではなく、期待しすぎるのは楽観的すぎると思います。

 

私は20%の下げは56年に1くらいあって、リーマンショック級 (半値レベルの下落は2030年に1回、投資家人生の中で1回は起こるだろうと思っています。

セクター別に言えば、80%かそれ以上の下落まで起こると考えます。

2000年のIT関連や、コロナショックでの航空株など

 

凡庸で恐縮ですが、債券などと合わせてポートフォリオを組み、年齢とともに徐々にリスク資産の割合を減らすのが攻守最強だと改めて思いました。

レイダリオスタイルも良いと思います。

オールウェザーポートフォリオを考察 コモディティをVPUに変更
目次 はじめに オールウェザーポートフォリオについて 改善点:コモディティを公共事業セクターETF (VPU) に変更 低金利(債券価格上昇)下で債券を多量に保有して良いのか レバレッジETFを用いてリターン向上 ...

 

まとめ

・暴落の歴史を振り返る
・過去4回の暴落を紹介
・いずれも明確な下落要因はなく、株価が下がるからより下がるというスパイラルが主であった
・人間の欲や恐怖は過去も未来も変わらない
・ということは今後も同様の暴落は不可避か🤔

 

 

レバレッジ型ファンドと暴落についても書こうと思いましたが、長くなったので次回以降書いていきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました