はじめに 過去記事のアップデート
以前、当ブログにてNISA成長投資枠でのインデックス投資について、eMAXIS Slimシリーズを買うか、米国ETFにするかを検証しました。

その後米国ETF, eMAXIS Slimともにコストの引き下げがあり、再計算することにしました。
前提条件
過去記事とほぼ同じですが、再掲します。
配当は国内投信もETFも米国所得税10%が取られるので、この点は両者で差がありません。
投資はSBI証券を使うものとします。
NISAは海外ETFでも売買手数料0ですが、為替手数料は往復で4銭取られます(可変)。1ドル150円とすると、往復為替手数料は0.027%です。
今回新たな計算方法として、10年間ファンドを保有することとします。
この場合、為替手数料は1年あたり0.0027%となるので、これを米国ETF側のコストに組み入れます。
国内投信は投信マイレージも考慮します。
国内投信と米国ETFのコスト比較
S&P500
eMAXIS Slim米国株式とSPLGを比較します。
SPLGの経費率は 0.02%、為替手数料を考慮すると10年投資で0.0227%、配当利回りは 1.26%です。
eMAXIS Slimの最新の総経費率は0.1018%ですが、2025年1月に信託報酬の引き下げが発表されました。
純資産額に応じて率が変わるので正確な数字は分かりませんが、資料によると0.09252%→0.07713% (-0.01539%) 程度に下がると書いてあります。
すると来年以降の実質コストは、0.08641%程度と予想されます。
SBI証券の投信マイレージが年率0.028%つくので、実質0.05841%と考えられます。
その差は0.05841 – 0.0227=0.03571%、1000万円投資すると年間で3,571円の違いとなります。
また当然ですが、株価(投資金額)が2倍になればこの差も2倍に広がります。
全世界株
eMAXIS SlimオルカンとVTの比較になります。
VTの経費率は 0.07→0.06%に引き下げられ、為替手数料込みで0.0627%、配当利回りは 1.90%です。
eMAXIS Slimの総経費率は0.08715%と予想されます。(詳しくは過去記事↓を参照)

SBI証券の投信マイレージが年率0.0175%つくので、実質0.06965%と考えられます。
その差は0.00695%、1000万円投資すると年間で695円の違いとなります。

前回の計算ではSlimの方がコスト安でしたが、VTの経費率引き下げで逆転しました。
先進国株
米国ETFに先進国株ファンドがありませんでした。なのでVOOとVEA(米国除く先進国)を72:28(時価加重平均)で組み合わせます。
投資信託の方は eMAXIS Slimオール先進国と比較します。
経費率はSPLG 0.02%、VEA(米国除く先進国株) が経費率を引き下げ0.06→ 0.03%になりました。
合計の経費率は為替手数料込みで0.0255%となります。
配当利回りはVOO 1.26%、VEA 3.14%、合計で1.79%です。
eMAXIS Slimの方は、eMAXIS Slim先進国株を用いると総経費率0.1187%で、SBI証券の投信マイレージが年率0.0349%つくので、実質0.0838%と考えられます。

その差は0.0583%、1000万円投資すると年間で5,830円の違いとなります。
コスト比較一覧表
2025/03/10時点
米国ETFの注意点(欠点)
こちらも前回記事とほぼ同じですが再掲します。
米国ETFがeMAXIS Slimに比べてコスト安でしたが、ETFの欠点もあります。
まず少額投資に不向きなこと。こちらはSPLGを使うことでだいぶ解消されました。
次に購入がやや面倒なこと。資金をドル転する必要があります。
また定期売却サービスなどがなく、取り崩し期に手作業でやらなければなりません。
まとめ
・経費率引き下げで、前回よりも米国ETF優位に
・手間がかかる、少額投資が困難な点は注意
現状VTの経費率がやや高めですが、おそらく今後0.04%くらいには下げてくると思います。
コストが気になる方、配当を受け取りたい方には、どの投資先でも米国ETFがおすすめです。
コメント