モメンタム投資シリーズ4 デュアルモメンタムについて

デュアルモメンタム

前回までのモメンタム投資シリーズまとめ

・インデックス長期投資には暴落がつきもの

・それを解決するモメンタム投資がある

モメンタム投資シリーズ prologue

・モメンタムは少なくとも80年以上一貫して確認できる

・それは人間が持つバイアスによって支持されている

モメンタム投資シリーズ1

・絶対モメンタムについて… 

ある期間(12ヶ月前など)と比較して、上がっていれば買い、下がっていれば売るという線略

・株、債券、金、REITなど多くのアセットで成り立つ

モメンタム投資シリーズ2 絶対モメンタムについて

相対モメンタムについて…

複数の銘柄(米国株、非米国全世界株など)を候補として、ある期間(12ヶ月前など)と比較して、上昇率の高いものを買い持つという戦略

モメンタム投資シリーズ3 相対モメンタムについて

今回はモメンタム投資の真髄、デュアルモメンタムについてです。

これはこれまでお伝えした絶対・相対モメンタムの組み合わせです。

デュアルモメンタム = 絶対モメンタム + 相対モメンタム

一例として、代表的なSP500、非米国株、短期米国債の組み合わせを考えてみます。

期間(ルックバック期間という)は12ヶ月で、これは歴史的に最も広く使われている期間です。

デュアルモメンタムのフローチャート


具体的な
ETFを挙げれば、

S&P500… SPY, VOO, IVVなど

非米国株… VXUS

短期米国債… SHVなど

となります。これを実践するとバックテストでは以下のようになります。

…米国、非米国全世界株のデュアルモメンタム
…米国、非米国全世界株の均等保有
…S&P500
 
デュアルモメンタムは米国株(S&P500)などと比べて、
1… 総リターンが高い
2…標準偏差(リスク、ボラティリティ)=値動きの幅が低い
3…ドローダウン(最大下落率)が著明に改善
4…結果としてシャープレシオ(=リターン/リスク。高いほど良い)が改善

※採用している指数の関係で1998年からのデータになります。

米国株や全世界株のインデックス長期投資よりも、モメンタム投資ならリスクを抑えてより高いリターンを得られる

これが私が最もお伝えしたい点です。

難しい理論や知識、経験は必要ありません。

またモメンタムはさまざまな資産(asset)に適用する事ができます。

一つ例を挙げると、金(Gold)、米国長期債を用いたデュアルモメンタムが以下になります。

Goldを保有していた場合と比べて、高リターン、低ドローダウンの成績となりました。

…デュアルモメンタム
…Gold
…Goldと米国長期債の均等保有

ご自分で計算したい方はこちらにアクセスしてみて下さい。

Test Market Timing Models

このように複数のモメンタム投資を組み合わせることによって、さらに安定したパフォーマンスが得られるとAntonacci氏は指摘しています。

それではこのモメンタム投資に欠点はないのでしょうか。

もちろんあります。

次回はモメンタム投資の弱点について解説します。

コメント

  1. Go より:

    始めまして、よろしくお願いします。

    原本では、

    ① SP500>全世界 yesならSP500>債券 yesならSP500をホールド

    ② SP500>全世界 noなら全世界>債券 noなら債券をホールド

    ③ ③SP500>全世界 noなら全世界>債券 yesなら全世界をホールド

    とありますがこのページの説明はまず絶対モメンタムをSP500でみてマイナスならすかさず債券をホールドとあります。少し考え方が違うのでしょうか?

    • shotaro37 shotaro37 より:

      ご質問ありがとうございます。
      おっしゃる通りで、「ウォール街のモメンタムウォーカー」では米国株がマイナスでも非米国株を買いうるとしています。
      一方engineered portfolioのサイトではS&P500がマイナスなら債券保有としています。
      後者の人が、より米国株を重視しているのだろうと思います。

      私の経験ではまだ米国0以下、非米国0以上になったことはありません。
      私はengineered portfolioをほぼ丸パクリしているので、そうなった場合は債券を買う予定です。

      しかし米国、非米国を同列に扱う方が自然に思えますし、どちらを選んでもリターンの差はほとんどないように思います。

  2. Go より:

    ありがとうございます。自分もADM4月から始めようと思い勉強させてもらいました。

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