目次
はじめに
これまでモメンタム投資の基本から実際の運用方法、バックテストなどについて説明してきました。
単なるインデックス長期保有よりもローリスク、ハイリターンな結果が得られた事を示してきました。
今回は弱点についていくつか挙げていきたいと思います。
デュアルモメンタムの全パートをまとめた記事はこちら
手間がかかる
基本的に月一回ではありますが、次はどの資産に移すべきかをチェックする必要があります。
数分で確認はできるはずですが、忘れてしまっては期待通りのパフォーマンスは得られないし、やや面倒に感じる方もいるかもしれません。
また投資していることを忘れる事ができない、という少し意外な副作用があります。
投資は忘れるくらいがちょうどいいなんて言われたりします。
iDeCo、NISAに適さない
個人的にはこれが最も大きい問題だと思います。
やり方にもよりますが、年1〜3回程度の売買を繰り返すため、長期保有が前提のiDeCo (個人型確定拠出年金) やNISA (少額投資非課税制度) には適しません。
一般口座で投資する必要があり、税制面の優遇がありません。
私はつみたてNISA、iDeCoの枠を使った上でデュアルモメンタム投資を行っています。
しかしNISA枠を超えるだけの投資資金がない方にとっては、追加でのモメンタム投資は難しいかもしれません。
(私なら投資資金の半分をつみたてNISAやiDeCo、半分をデュアルモメンタムに振り分けます)
コストがかかる
上述の通り売買を繰り返すため、その都度手数料がかかります。
日本で売買できるETFならば、最近では楽天証券などは広く取引手数料無料にしています。
しかし米国ETFを用いる場合には特に手数料の問題が大きくなってきます。
また売買をする過程で実現損益が出ます。
国内では利益が出れば20%強の税金がかかります。
細かい計算は省略しますが、細かく利益を確定させると、長期保有して最後に売却するのに比べて、最終的な利益はやや低くなってしまいます。
インデックスに劣後する期間がある
インデックス投資から外れた投資をするので、当然と言えば当然です。
デュアルモメンタムの過去23年間のバックテスト期間においても、黄色で囲まれた期間は明らかにS&P500よりもパフォーマンスが落ちています。
この時にモメンタム投資を辞めて他の投資に乗り換えてしまう、という懸念があります。
今後も高リターンが得られるか不透明
モメンタム投資が長期に渡って機能してきた事、またその根拠をシリーズ1でお伝えしてきましたが、未来は当然誰にもわかりません。
自分の考えを信じて継続できるかが問題になります。
もっともこれは全ての投資に当てはまりますが。
まとめ
以上をまとめると、
・税制面のメリットを受けにくい (最大のデメリット)
・売買コストがかかる
・インデックスに負ける時もある
以上がモメンタム投資の主な弱点だと思います。
これらの問題を乗り越えられる方が、きっと将来の大きな利益を手にできると確信しています。
次回はモメンタムの改良について解説します。
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