目次
はじめに レバファンドの有効な使い方を見つけたい
レバナスを筆頭に、レバレッジファンドが人気です。
・レバファンドは単体ではボラが大きすぎるが、債券と組み合わせることでリスクを下げられる
・使い方によってはインデックスファンドを上回るシャープレシオも期待できそう
という紹介をしました。
そこで今回からは、レバレッジ2倍と3倍ではどちらの方が投資効率が良くなるのか、について調べました。
調査方法
portfolio visualizerを使って調べました。
対象のファンドは以下の3つで検証しています。
SPY… S&P500 インデックスETF
SSO… S&P500 2倍レバレッジETF
SPXL… S&P500 3倍レバレッジETF
SSOはSBI証券や楽天証券で取り扱っていないので、実際の運用はifreeレバレッジS&P500で代用することになります。
次に債券は以下を対象としました。
TLT… 米超長期国債ETF
長期にした理由は、短期や中期よりも株式との相性が良いからです。
詳しくはこちら
TLTよりはVGLTがコストの安いETFになりますが、ここでは設定が古く長期間のバックテストができるTLTを選んでいます。
検討事項
シャープレシオ(Sharpe ratio) とソルティノレシオ(Sortino ratio) を比較事項としました。
シャープレシオはCAGR (年平均リターン) ÷ Stdev (標準偏差) で計算され、ボラティリティに対するリターンの大きさを表します。
ソルティノレシオとは、下落リスクに対してどれほどのリターンがあったのかという指標です。
一方シャープレシオは価格の振れ幅をリスクとして考えているため、上昇リスクもリスクと捉えています。
結果
比較のためにS&P500 (SPY) も載せています。
3倍レバがリターンは最大、2倍レバがシャープレシオ、ソルティノレシオで最大になりました。
考察 レバは2倍までがおすすめ
この調査は2009年以降のバックテストです。
リーマンショック以降のほぼ右肩上がりが続いた期間のため、3倍レバに有利な相場環境だったため、リターンが最も高くなりました。
それでも2倍レバがシャープレシオ、ソルティノレシオでベストな結果になったのは少し驚きでした。
3倍レバはかなり投資効率が悪い商品である、と示唆されます。
私がいつも引用している記事によると、3倍の方がはるかに高リスクにもかかわらず、3倍レバが2倍のリターンを上回るケースはほとんどありません。
元記事はこちら deepLで翻訳して読んでみてください
解説記事はこちら
今回債券との組み合わせで、かなり値動きはマイルドになりましたが、それでも3倍はお勧めできません。
ちなみにレバ株を33%とした場合はシャープレシオが等しくなり、3倍レバの方がリターンは高くなりました。
なので債券主体で持つ場合には3倍レバも許容される、と考えられます。
しかし3倍レバを買うようなリスクテイカーの人たちが、債券主体のポートフォリオを組むとは思えないので、現実的ではないと思います。
若い方でも2倍を最大のレバレッジとして、株式比率が低い場合のみ3倍も考慮する
これが私の結論です。
まとめ
・2倍、3倍レバファンドを債券と混ぜて検討
・レバは2倍までにするべき
・3倍はスパイス程度にする
次回はレバファンド、債券のベストな保有割合を検討したいと思います。
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